看護師の現場は人手不足と言われており、実際には年間約10万人の人が離職をしている状態です。離職をした人の多くは病院から病院への転職を実現させていますが、定着率の悪さなどから人手不足が続いている状態です。
現場で働いている人の中にも、もっと人がいてくれたら楽に回るのになどと思っている人も多いかもしれません。
人手不足の職場ではどのような弊害が起きているのか、共通する3つのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
看護師の必要人数は病床数で決まっている
看護師の人手不足の職場に共通する3つのポイントを紹介する前に、病院に対する看護師の数について押さえておくと理解がしやすくなるので紹介します。
病院や施設で働いていると、「7対1」や「15対1」などのワードを聞いたことがあると思います。
これは看護師1人に対して看護を行う患者さんの割合を表した数字であり、看護基準として定められています。
看護基準を守っている病院には質の高い看護が提供されているということで、患者さん1人あたりにかかる診療報酬の額が高く病院側としては、看護基準を満たすために看護師を確保したいという理由もあります。
看護基準は病院の病床数で決まるので病床数に対して、急性期病棟の日勤や夜勤で働く看護師が少ないと人手不足の職場と言えます。
これらの理由から看護師不足の状況が続いていますが、人手不足の職場で共通する3つのポイントを見ていきましょう。
1.看護師1人あたりの業務量が多い
一般病棟ではチーム制で看護が行われているところもあり、受け持ち患者さんの人数や業務をチームで管理されています。
看護師の数が少ないと当然、日勤帯の受け持ち患者さんの数は1人あたり7:1どころではなく、10:1や15:1になってきます。
慢性期病棟や経過が落ち着いている病棟は対応できますが、忙しい急性期病棟や救急では業務が時間内に終わらず夜勤帯まで伸びてしまうこともあります。
実際には受け持ち患者さんのケアや処置、術後管理も全てを担当看護師が行うよう病棟の方針で決められているところもあるので、業務量の多さから辞めてしまう看護師も少なくありません。
また、患者さんの対応だけでなく業務として看護記録や配薬確認などの雑務もこなさなければならないため、受け持ち患者さんの数が増えると忙しい病棟では激務になってしまいます。
日勤帯は業務も多く忙しいですが、人手不足により夜勤帯のスタッフの数も減らして対応している施設もあります。通常は忙しい急性期病棟は3人体制で夜勤業務を行いますが、2人体制で回しているところもあります。
2.体調不良時などの急な休みが取りにくい
病棟で働いていると、勤務はシフト制で管理されているところがほとんどですよね。
人手不足の職場の特徴として休みが取りにくいということがありますが、人手不足の職場は日勤帯のスタッフの数もギリギリで回っているところが多いです。
そのため、勤務日にスタッフの誰かが抜けてしまうと、業務量が追いつかない状態になってしまい、スタッフの1人あたりの業務量も増えてしまいます。
また人手不足で余裕がないという状況を知っていると、休みの連絡も入れづらいですよね。
看護師の中には体調が悪くても、出勤し我慢をしながら業務をこなしている人も多いと思います。
気を遣いながら我慢して働くことに、嫌気がさして辞めてしまうスタッフも多く見られます。
3.すぐに退職ができない
施設や病院にもよりますが、看護師はシフト制の勤務であり退職の相談は、3か月前を目安に伝えるように決められているところもありますよね。
特に人手不足の職場では人の入れ替わりが激しいところもあり、なかなか思うように退職ができないという特徴があります。
退職の意思は本人の自由ですが、看護師長に相談をすると様々なアドバイスを受けて引き止められてしまい、辞められなかったという経験をした人もいるかもしれません。
人手不足の状況を知っていると、自分が抜けたら大変ということも考えてしまい決心ができない人もいると思いますが、人手不足と退職は関係がないのできちんと意思を伝えることが大切です。
どうしても伝えにくいと感じているのであれば、余裕をもって3ヶ月以上前から伝えておくと調整もしやすく円満退職ができるでしょう。
人手不足の職場を見極めるには
常に看護師業界では人手不足の状況が続いていますが、逆に求人も増えて転職がしやすい環境になっていますよね。
看護師の転職は1回や2回は当たり前という認識になってきていますが、人手不足で業務量が増えてしんどくなって辞めたという人にとって、転職先が同じような状況であると転職した意味がありませんよね。
求人を出している職場は人手不足のところも多いですが、自分が望んだ環境で働くためにも、紹介した人手不足の職場に共通する3つのポイントを参考にしてみてください。
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