こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、12誘導心電図が分かる3つのポイントについてお伝えします。
一般病棟だけでなく急性期病棟、手術室で必ず触れる心電図モニターですが、心電図が苦手に感じている人も多いと思います。
読み方が分からない、判断ができないという悩みは看護師であれば誰もが通る道ですが、心電図を知っておくことは患者さんの見えない異常をキャッチするために必要なものです。
緊急時はすぐに準備が必要になるので、すぐに対応できるようにしておくことが大切です。
心電図に対して苦手意識を持っている人も多いと思いますが、12誘導心電図が分かる3つのポイントを理解しておきましょう!
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12誘導心電図の目的
心電図の波形から心臓に関する情報を得ることで、心疾患のスクリーニング、病態の正確な把握に役立てるため
12誘導心電図の必要物品
- 12誘導心電計
- 電極
- 心電計用の記録用紙
- 心電図用クリーム
- ティッシュペーパー
- タオル
- アルコール綿
12誘導心電図の手順
1.心電図計を部屋に準備して電源を入れる
2.設定を確認する
POINT古いタイプのものだと前の人の設定が残っている場合がある
3.患者さんの手首、足首の皮膚が見える状態にする
POINTストッキングやタイツを履いている場合は脱いでもらい皮膚が見えている状態にする
4.仰臥位になってもらう
5.グリップの色を確認して必ず装着する。
POINT
- 右手→赤色
- 左手→黄色
- 左足→緑色
右足→黒色
6.胸部誘導を付ける
POINT胸骨角を探し(乳首と乳首の間が目安)その横が第二肋間なので、そのまま肋骨をたどり第四肋間まで下りる。
第四肋間の右がC1、左がC2そのまま骨に沿って第五肋間の下がC4、第五肋間の脇がC6となるので順番に胸部誘導を貼っていく。
C1:赤色C2:黄色C3:緑色C4:茶色C5:黒色C6:紫色
7.モニターに映っていることを確認したら、記録を行う。
POINT5~6拍記録しておく。
12誘導心電図の観察項目
全身状態
バイタルサイン、表情など
心電図
異常波形の有無など
12誘導心電図のポイント
心電図は心筋細胞が興奮した電気を読み取り記録していくものですが、周囲の影響を受けやすいため実施前に環境を整える必要があります。
心電図を実施するに当たって必要な注意点は以下の通りです。
- 尿意の確認を行い、排尿を済ませてもらう
- 近くにME機器や電気製品がある場合はノイズが入ることがあるため電源を切る
- 皮膚の汚れや汗は基線の揺れの原因となるので、蒸しタオルなどで清潔にしてから電極を付けなおす
- 患者さんの身体に触れたり、話しかけたりしない
- 呼吸が深く胸郭の動きが大きいときは、自然な呼吸をしてもらうか息を止めてもらう
- 通常はオートで記録を行うが、記録中に不整脈が出現した場合はマニュアル設定に切り替え、必要な部分を記録する緊急を要する
- 不整脈やST異常が出現した場合は、すぐに先輩、ドクターに報告を行う
心電図を行う前に、これらの注意点を確認しながら実施することが大切です。
特にST異常がみられる場合は緊急を要することが考えられるため見逃さないように押さえておきましょう。
12誘導心電図のまとめ
12誘導心電図検査は患者さんの見えない部分の異常を知るための大切な検査ですが、心疾患系の疾患は自覚症状もない人もおり心電図で指摘されて初めて知ったという人も多いことが現実です。
心筋梗塞を起こして急変したということは病棟では起こりうることなので、しっかり理解して兆候を早期発見することが大切です。
モニターで異常波形が見られた時に12誘導を測定する指示が出ることもあるので、すぐに対応できるよう理解しておくことが大切です。
電極を貼る位置と色の区別をしっかり覚えておきましょう!
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