こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、血液製剤の種類と特徴についてについてお伝えします。
一般病棟で働いていると輸血を受ける患者さんと出会う機会があると思います。
突然のドクターからの患者さんへ輸血指示、指示伝票にはRCC2単位と記載されていたり、いまさら「RCCって何?」と聞けない新人看護師も多いのではないでしょうか。
輸血で使用される血液製剤には種類があり、目的に合わせて選択されます。
血液製剤の種類と目的をしっかり押さえておきましょう!
血液製剤投与の目的
血液成分の欠乏・機能不全により臨床上問題となる症状が出現したとき、血液を補充することで不足した成分・機能を補うため
輸血の適応
輸血が必要になる場合は以下の通りです。
- 手術時の大量出血の場合
- 外傷による出血多量の場合
- 貧血の場合
これらの症状が見られた場合、輸血の投与指示がドクターから出されます。
手術時の大量出血の場合
外科的な開腹手術や婦人科の手術の場合は出血が多くなることも考えられ、輸血が実施されます。
外傷による出血多量の場合
事故などにより多量の出血がみられる場合は緊急輸血を実施します。
貧血の場合
血液中の成分が足りず重度の貧血を起こしている人に実施されます。
これらが輸血が必要になる場合ですが、患者さんの症状や治療方針によって決定されるのできっちり把握しておきましょう。
血液製剤の種類
血液製剤は大まかに3種類あり、目的に合わせて使用されるのでしっかり押さえておきましょう。
血液製剤の種類と特徴は以下の通りです。
- 全血製剤(血液成分をすべて含んだもの)
- 成分製剤(血液を遠心分離して成分ごとに分けたもの)
- 血症分画製剤(血症から特定の血漿蛋白を分離・精製したもの)
これらが血液製剤の種類ですが、RCCなどは成分製剤に分類されます。
では、次に病棟で一般的に知られている成分製剤の種類と特徴を見ていきましょう。
成分製剤の種類
成分製剤の種類と特徴は以下の通りです。
赤血球製剤(赤血球濃厚液:RCC-LR)
血液がそのままパッケージされているような見た目で、赤血球製剤は、血液から血漿、白血球および血小板の大部分を取り除いたものです。
外科的手術の出血時や慢性的な貧血を改善するときに使用されます。
血小板製剤(照射濃厚血小板:PC-LR)
見た目は黄色のパッケージで、血液から成分採血装置を用いて血液の止血機能をもつ血小板を採取したものです。
血小板減少や機能異常で止血が機能が十分に働かない患者さんに使われます。
血漿製剤(新鮮凍結血漿:FFP-LR)
見た目は黄色血小板製剤と同じですが、血漿製剤は、血液から出血防止のための各種の凝固因子が含まれる血漿を取り出したものです。
凝固因子の欠乏により出血しやすくなった患者さんに使用されます。
血液製剤のポイント
輸血は人から採取した血液を全て投与する全血輸血だけではありません。
今は、全血輸血による投与は行われておらず目的に合わせた血液製剤が投与されます。
輸血を行う患者さんには、輸血の指示が出るので、どの血液製剤を輸血するのかを理解しておきましょう。
また、目的によって血液製剤の種類も変わってくるため、種類と目的を押さえておくことがポイントです!
血液製剤を投与する時はダブルチェックも忘れずに行うことが大切です!
血液製剤を正しく扱うために
輸血の取り扱いや実施に関して慣れない間は不安がいっぱいですよね。
輸血製剤の取り違えや投与ミスが起きると患者さんの命に直結してしまい怖いと感じることもあると思います。
輸血に関して苦手意識を持っていた人も、血液製剤のキホンを理解しておくことで自信につながります。
輸血のオーダーが出た時に、血液製剤の種類と目的が頭にパッと浮かぶようにしておきましょう!
輸血についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
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輸血についてもっと詳しく学びたい人には、「輸液・輸血指示の根拠とコール対応の見きわめ方」の本がおすすめです。
「なぜ輸血の指示が出たのか?」という視点から根拠を勉強できる内容になっているので、新人看護師の勉強にオススメの1冊です。
輸血指示の根拠が症状別に紹介されているのでイメージしやすく、臨床で活かせる知識を身につけることができます。
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