こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、ドレーンの種類と排液のアセスメントについてお伝えします。
ドレーンは手術の後に患者さんの身体に挿入されている管のことです。ドレーンには治療目的や予防目的など様々な目的によって分類があります。
術後のドレーンの異常は早期発見がポイントになるので、排液のアセスメントは理解しておきましょう!
ドレーンの目的
術後の体液の貯留を防ぎ、合併症の早期発見を行うため
ドレーンの分類
手術の後に貯留されるドレーンには、3つの目的があります。
- 治療的ドレナージ
- 予防的ドレナージ
- 情報ドレナージ
治療的ドレナージは、腹膜炎などの感染を伴う手術で排出と洗浄を目的としたものです。
予防的ドレナージと情報ドレナージは、体液の貯留を防ぎ、出血などの合併症の早期発見を目的としたものです。
術後のドレーンには、このような目的があるのです。
ドレーンの種類
手術後にドレーンを挿入して帰ってくる患者さんは多いですが、ドレーンにも種類があります。
- 開放式ドレーン
- 閉鎖式ドレーン
手術後のドレーンには、主に上記の2つが挙げられます。
開放式ドレーン
開放式ドレーンは、その時の通りドレーンの先端が解放された状態のものです。
イメージとしては、傷口からストローが刺さっている感じです。
ドレナージ効果が大きいことがメリットですが、解放されているため感染のリスクが大きいです。
閉鎖式ドレーン
閉鎖式ドレーンは、ドレーンチューブの先端が排液バッグにつながっているものです。
排液バッグには、陰圧をかけながら吸引を行うものもあります。
開放式と違って、感染のリスクは低くなりますが、体動が制限されてしまうデメリットもあります。
ドレーン排液のアセスメント
術後のドレーン管理は、ドレーンの色と性状をしっかり把握しておくことが大切になります。
異常の早期発見を行うためには、正常の色の変化を理解しておくことが必要です。
正常なドレーン排液
正常なドレーンの排液は、術直後は「血性」となり、術後1日目以降は「淡血性」→「漿液性」と色が変化します。
術後1日以降が経過しても「血性」または「血性が強くなった」という場合は、出血を起こしていることが考えられます。
異常なドレーン排液
ドレーン排液に異常がある場合は、色に変化が見られます。
色の変化に気づくことで、どのような異常が起きているのかが分かります。
ドレーン排液のポイント
術後はドレーンの観察が重要なポイントになります。
ドレーンの色や変化を見ることも大切ですが、ドレーンの閉塞や刺入部位の皮膚の状態の観察も行いましょう。
ドレーン排液の異常を確認したら、すぐに主治医に報告します。
出血が起きている場合は、患者さんの全身状態も悪化してしまうので、早い対応が必要になります。
異常を感じたらすぐにリーダーや主治医に報告することが大切です!
ドレーン排液を見極めるために
手術後の患者さんは、ドレーンを貯留して病棟に帰ってきます。
腹腔内の様子はドレーンの排液でしか分からないため、慎重に観察を行うことが大切です。
術後の患者さんの状態は変化しやすいため、異常を感じたらすぐに報告を行いましょう。
ドレーン排液のアセスメントに自信がない時は、先輩と一緒に観察してもらうとミスを防ぐことができます。
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