こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、ルート確保を上達させるための3つのコツについてお伝えします。
ルート確保が苦手、失敗してしまうと悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
ルート確保は患者さんに行う処置の中でも大切な技術の一つになります。
しかし、患者さんに苦痛を与える処置でもあり、神経損傷などのリスクもあるので、安全に行う必要があります。
ルート確保は看護師として必要な技術になるので、しっかり身につけておきましょう。
ルート確保はコツを身につけて行う事で上達させる事ができます!
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看護師にとって基本中の基本!ルート確保とは?
ルート確保とは、静脈路確保のことであり、静脈内に針やチューブを留置して輸液を行うための輸液路を確保する処置のことです。
ルート確保や静脈路確保、静脈ライン確保、静脈ルート確保などと呼ばれる事が多いです。
ルート確保をする目的
患者さんの処置や状態に合わせてルート確保が行われますが、輸液が必要な場合に行われます。
ルート確保の目的は、輸液による治療を行うためです。
輸液が必要な場合は以下の通りです。
- 電解質の補正や血中濃度の異常を速やかに正常化しなければならない時
- 出血時の補液
- 脱水時の浦液
- 栄養補給
- 治療薬剤の持続投与が必要な場合
これらが、輸液が必要になる状態です。
手術中の出血やショックなどの緊急時には、急速輸液が行われます。
患者さんの症状や状態に合わせて、輸液での治療が行われます。
ルート確保が失敗する根本的な理由
看護師であれば誰でも1度は、ルート確保の失敗を経験した事があると思います。
ルート確保の失敗として考えられる原因を見ていきましょう。
- 血管を突き破ってしまった
- 針が血管壁に当たっている
- 血管への刺入が浅く留置できない
- 血管に刺入できていない
これらがルート確保の失敗の原因として考えられます。
血管を突き破ってしまった
ルート確保では、針の刺入角度がポイントになります。
刺入角度が深すぎると、血管を突き破ってしまい失敗してしまいます。
針を刺入して内出血が見られたら血管を突き破ってしまっています。
針が血管壁に当たっている
針を刺入したけど逆血が確認できない、サーフローの外筒は入っているのに押し込んでも進まない、こんな経験をした事があると思います。
これは、針が血管壁にぴったりとくっ付いてしまい、逆血が確認できず針先が進まないのです。
血管内にしっかり入っているのにも関わらず失敗したと思い、取り直すこともあるのではないでしょうか?
血管への刺入が浅く留置できない
ルート確保では、針を刺入し、逆血が確認できたら針先を少し進めます。
慣れていない間は、逆血の確認が出来たらルート内に入っていると安心して、針先を進めず内筒を抜いたら点滴が落ちないという事が起こるのです。
逆血が確認できた時点で、針先は血管の中に刺入できていますが、サーフローの内筒と外筒の長さには差があるため、針先を進めないと外筒を留置できないのです。
血管に刺入できていない
ルート確保では、輸液に適した部位の血管を選んで針の穿刺を行います。
しかし、狙った血管に刺入できていない場合は失敗してしまいます。
血管の走行が把握できていないことや狙った場所に刺入ができていない事が原因として挙げられます。
ルート確保を上達させるための3つのコツ
ルート確保は緊急時には必ず必要になる処置なので、苦手な人はコツをしっかり身につけておきましょう。
ルート確保を上達させるための3つのコツを紹介します。
血管はまっすぐのものを選ぶことで1回で成功できる
ルート確保を行うときは、ルート確保に適した部位と血管を選ぶ事がポイントです。
ルート確保では、上腕の静脈に留置しますが、選ぶ血管は「まっすぐに走行しているもの」です。
穿刺に適した静脈は以下の通りです。
- 橈側正中皮静脈
- 尺側正中皮静脈
- 橈側皮静脈
- 尺側皮静脈
- 前腕正中皮静脈
これらの血管は、まっすぐに走行しているのでサーフローが留置しやすいです。
高齢者の場合は、血管が蛇行していることもあるので、できるだけ走行がまっすぐの部位を選ぶ事が大切です。
また、患者さんの状態に合わせて留置する部位の選択も必要になります。
- DIV持続目的で留置するADL自立の患者様の場合は、前腕の真ん中あたりで日常動作に邪魔にならない部位を選択
- 日帰りでDIV治療目的で1時間ほどの短時間で終わる場合は、肘あたりの「Y字」部分を狙って穿刺し安静にしてもらう
- 手術用ルート確保の場合は、前腕の出来るだけ弾力の強い丈夫な血管で確保する
このように患者さんの状態と目的に合わせて血管を選択する事が大切になります。
穿刺部位を軽く引っ張ることで血管が逃げない
高齢者のルート確保では、狙いを定めて穿刺しても血管が逃げてしまう事があります。
穿刺するときは、穿刺する血管の下の皮膚を軽く引っ張る事で血管が逃げずに穿刺する事ができます。
皮膚を軽く引っ張り、皮膚のシワを伸ばすイメージです。
あまり強く引っ張ってしまうと皮膚と血管の走行がズレてしまうので、失敗の原因にもなってしまいます。
穿刺する角度は皮膚に対してで固定する
血管に針を穿刺するときは、皮膚とサーフローの角度は約30度で刺入します。
刺入前に皮膚とサーフローの角度を確認したら、動かさず固定したまま刺入します。
刺入後にサーフローの角度を変えてしまうと、血管を破ってしまったり、血管から抜けてしまう原因になってしまいます。
刺入角度を固定させ、サーフローを刺入し逆血を確認したら外筒をそっと外してから先に進めます。
この時に外筒が進まない場合は、針先が血管壁に当たっている事が考えられるので、針の角度を少し変えて進めます。
ルート確保は患者の命を守る上で大切な技術になる
ルート確保は難しい技術の一つですが、患者さんの命を守るために必要なスキルになります。
緊急時にはバタバタした状況の中で、確実にルート確保を行わなければなりません。
ルート確保が苦手な人や慣れていない人は、出来るだけ積極的にルート確保にチャレンジして経験を積んでおきましょう。
数をこなして経験を重ねる事で、自分の中でコツが理解でき、自分の技術に自信が持てるようになりますよ!
ルート確保についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
ルート確保についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!
(Dr.とらますくの採血&静脈ルート 確保手技マスターノート)
静脈ルート確保では、留置針が入らない、滴下しない、点滴もれしてしまうなどのトラブルで悩んでいるという人も多いと思います。
ルート確保がうまくなるためには経験しかないと言われることも多いですが、この本ではルート確保のコツを細かく紹介しています。
参考書にあまり載っていない「血管の選び方」からメンタル面の注意点など、ルート確保の技術の成功率を高めるための理論が載っています。
その他にも、注射・採血について学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒採血・静脈ルート確保が分かる看護師にオススメの参考書3選!
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