こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、注射で起こる合併症と予防のポイントについてお伝えします。
病院では患者さんに様々な処置を行いますが、その中の一つに「注射」があります。
注射には、皮下や静脈内など目的に合わせて方法を選択する必要があります。
そんな注射ですが、神経損傷などの合併症を理解しておきましょう!
注射の目的
経口与薬では、薬物の作用が無効になる場合に投与を行うため。
注射の種類
目的や薬剤に合わせた方法で行われる注射ですが、方法は以下の4種類です。
- 皮内注射
- 皮下注射
- 筋肉注射
- 静脈内注射
これらの方法は、目的などに合わせて適切な処置を行うことが大切になります。
それぞれの注射の方法を見ていきましょう。
皮内注射
皮内に注射を行う方法です。
ツベルクリン反応などで実施され、真皮に薬液を注入します。
皮下注射
皮下注射は皮膚と筋肉の間の皮下組織に薬液を注入する方法です。
インスリン注射やワクチン、ホルモン注射などの種類があります。
筋肉注射
筋肉注射は筋肉内に注射を行う方法です。
静脈内注射よりもゆっくり薬効発現を期待したい時などに選択されます。
静脈内注射
静脈内注射は、血管の静脈内に薬剤を注入する方法です。
緊急時の処置が必要な場合や、静脈内注射以外の方法では投与できない薬剤を使用する場合に選択されます。
注射の合併症
注射には4種類の方法がありますが、合併症に注意して実施することが大切です。
注射で起こる合併症は、主に4つ挙げられます。
- 硬結
- 発赤、腫脹
- 神経損傷
- 血腫
これらの合併症と予防のポイントを詳しく見ていきましょう。
硬結
硬結は注射部位が硬くなることですが、原因は薬物アレルギーによる局所反応などが考えられます。
予防策としては、同じ部位に何度も刺入をせず、刺入部位を変えることです。
発赤、腫脹
注射部位に発赤や腫脹が見られる場合は、操作時の不注意や薬物アレルギーの局所反応などが考えられます。
予防策としては、薬物アレルギー反応の有無を調べたり、清潔操作を必ず行うことです。
神経損傷
神経損傷は、注射針を刺入した時に神経を刺してしまうことにより起こります。
予防策としては、神経の走行を理解して太い神経の少ない場所を選択し、適切な角度と深さに刺入することです。
血腫
静脈内注射の場合、血腫が見られることがあります。
これは、血液が血管壁から周囲の組織に漏出することによって起こります。
特に高齢者や糖尿病などの疾患を持っている人に起こりやすいことがあります。
予防策としては、注射針の刺入時や抜去時に起こりやすいので注意しながら実施することです。
注射を実施する時のポイント
注射では様々な合併症が起こることがあります。
一番注意が必要な合併症は、神経損傷であり、刺入した時に痛みを訴えることが多いです。
針を刺入した時にすぐに薬剤を注入するのではなく、痛みの有無を必ず確認してから実施するようにしましょう。
高齢者への注射は血管がもろく血腫になりやすいため、注意しながら行いましょう。
合併症を理解して実施前後の観察を行うことがポイントです!
注射の合併症を予防するために
注射による合併症は、神経損傷など患者さんの苦痛につながるものが多いです。
一度苦痛を経験してしまうと注射に対して拒否をされることもあるため、苦痛は最小限に留められるよう注意しながら実施することが大切です。
また、神経損傷では謝って神経内に薬剤が注入されてしまうと神経刺激を引き起こしてしまうため命にも関わります。
注射を実施する時は必ず合併症の有無を確認してから実施することが必要です。
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