こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、異常波形の特徴と原因についてお伝えします。
心電図は心疾患の異常を把握するものですが、異常の早期発見が大切になります。
病棟ではモニター心電図をナースステーションで管理している患者さんも多いです。
心電図の異常を把握するためには、異常波形を理解しておくことが必要になります。
心電図の目的
心疾患のスクリーニングや病態の正確な把握を行うため。
異常波形の特徴
心電図の異常波形の判別が出来ないと悩む新人ナースも多いですが、まずは異常波形を理解することがポイントです。
心電図の異常は、P波、RR間隔、PQ時間、QRS波に見られるものに分類されます。
それぞれの異常波形を見てきましょう。
P波の異常
P波の異常には、洞性頻脈や洞性徐脈、上室性期外収縮(PAC)などが挙げられます。
病棟のモニター心電図でよく見られるPACの心電図は以下の通りです。
RR間隔の異常
RR間隔の異常には、心房細動(Af)や心房粗動(AFL)、発作性上室性頻拍(PSVT)などが挙げられます。
よく耳にする心房細動(Af)の心電図は以下の通りです。
PQ時間の異常
PQ時間の異常には、Ⅰ度房室ブロックやⅡ度房室ブロック、高度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロックなどが挙げられます。
Ⅲ度房室ブロックは完全房室ブロックとも呼ばれており、緊急度が高い異常心電図の一つです。
Ⅲ度房室ブロックの心電図は以下の通りです。
QRS波の異常
QRS波の異常には、心室期外収縮(PVC)、心室頻拍(VT)などが挙げられます。
病棟ではPVC単発などのワードが飛び交っていますが、PVCは不整脈への移行が高いため注意が必要な心電図の一つです。
心室期外収縮(PVC)の心電図は以下の通りです。
異常波形の原因
モニター心電図でモニタリングを行なっている場合は、異常波形が出現した瞬間を把握しておく必要があります。
特にPVCなどは単発で出現しているのか、頻発しているのかで状況が変わってくるので、しっかり把握しておくことが大切です。
異常波形の原因を見ていきましょう。
P波の異常
洞性頻脈は交換神経の緊張や発熱、疼痛などが原因で見られることがあります。
洞性徐脈は副交感神経の影響、上室性期外収縮(PAC)は健康な人でも見られることがあり、多くの場合はそのままでも問題ありませんが連発する場合は注意が必要です。
RR間隔の異常
心房細動(Af)はカフェイン、アルコールの過剰摂取で出現が見られます。
心房粗動(AFL)と発作性上室性頻拍(PSVT)は僧帽弁疾患などの心疾患が原因で出現します。
PQ時間の異常
Ⅰ度房室ブロックは迷走神経の過緊張などが考えられます。
異常波形のポイント
異常波形は、波形のどの部分に異常が起きているかを把握しておくことが大切になります。
異常波形の中には、経過観察を行う必要があるものから問題がないもの、緊急性が高いものまで様々な種類があるので、しっかり理解しておくことが必要になります。
異常波形の見分け方は、正常な心電図の形と異常波形の形を覚えることがポイントです。
異常波形は、形をしっかり理解しておくことがポイントです!
モニター心電図では一瞬だけ見られる波形も多いので、どのような波形なのかを知って起きましょう。
異常波形を見極めるために
心電図が苦手で異常波形の見分け方に自信がない人も多いと思います。
異常波形の中には、緊急性が高いものもあるので早期発見が大切になります。
異常波形が出現した場合は、申し送りなどで報告する必要があるため、どの異常波形の種類なのかを把握しておきましょう。
異常波形の形を覚えておくことで、モニターを見た時に判別することができます。
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