こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、生食ロック・ペパリンロックの手順についてお伝えします。
病棟では患者さんに点滴の処置を行う機会が多いですが、ロックを行うときは生食やヘパリンを使うことがあります。
点滴のロックの時にヘパリンや生食を使う方法は、医療機関によって違うので、自分が働いている職場のルールに従って行うことが大切です。
ロックの方法は、職場のルールに従うことが大切ですが、生食ロック、ヘパリンロック両方の技術を覚えておくと便利です。
この2つの違いを意外に知らない人も多いので、詳しく見ていきましょう。
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生食ロックとヘパリンロックの違いとは?
点滴のロックを行うときは、生食とヘパリンを使用する2つのパターンがあります。
生食ロックとは、その名の通り、生理食塩水を使ってロックを行う方法です。
ヘパリンロックは、ヘパリンを使用してロックを行う方法であり、生食だけなのか、ヘパリンを使用するのかの違いです。
生食ロック
昔は、一般病棟の末梢ルートのロックでもヘパリンを使ったヘパリンロックが主流に行われていました。
しかし、研究が進みヘパリンロックと生食ロックに大きな差はないことが分かり、生理食塩水を使用する施設が増えたと言われています。
また、ヘパリンを使用するとコストも高いため、経済的にも生理食塩水を使う施設が増えています。
末梢ルートの場合は閉塞しても入れ替えがすぐに行えるという点があるため、末梢ルートで選択されることが多いです。
ヘパリンロック
末梢ルートにも使用している施設もありますが、、現在は中心静脈カテーテルのロックにヘパリンロックが選択されることが多いです。
中心静脈カテーテルの場合は、1度閉塞をしてしまうと抜去しなければならないため、閉塞させないためにヘパリンシリンジを使用します。
中心静脈カテーテルは、ドクターが透視化で挿入するため、丁寧に扱うことが大切です。
臨床では中心静脈カテーテルのヘパリンロックが上手くいかず、ルートが閉塞してしまい挿入しなおすことも実際に起きています。
生食ロック/ヘパリンロックのメリット・デメリット
生食ロックとヘパリンロックのメリット・デメリットを見ていきましょう。
生食ロック
生食ロックのメリットは以下の通りです。
- 溶血が原因で起こる合併症がなく、比較的安全である
- コストが安い
生食ロックは、生理食塩水を使用するため、合併症の危険性も少なく安全に使用できます。
また、コストも安いので、経済的に使用しやすいことも挙げられます。
デメリットは以下の通りです。
- ヘパリンロックと比較するとルートが閉塞しやすい可能性がある
ペパリンに比べると、ルートが閉塞しやすい可能性が高いので、ルートの入れ替えなどの必要が出てくることもあります。
ヘパリンロック
ヘパリンロックのメリットは以下の通りです。
- 血液凝固防止作用があるので、閉塞しにくい
ヘパリンには、血液凝固防止作用があるので、ルート内で血液が凝固して閉塞することを防いでくれます。
デメリットは以下の通りです。
- 出血などの副作用が起こる場合がある
- 配合禁忌の薬剤がある
ヘパリンは薬剤なので、出血などの副作用や配合禁忌の薬剤があるため、使用するときは注意が必要です。
生食ロック/ヘパリンロックに必要な物品と準備
生食ロックとヘパリンロックに必要な物品と準備を見ていきましょう。
ペパリンロックの場合は、ヘパリン製剤と生理食塩水または、ヘパリンシリンジを準備する。
生食ロックの場合は、生理食塩水を準備する。
- 手袋
- アルコール綿
- ガーゼ
- 固定用テープ
- 固定用ネット
生食ロック/ヘパリンロックの手順
生食ロックとペパリンロックの手順を見ていきましょう。
1.物品を準備して患者さんに点滴終了とロックの処置を行うことを伝えておく
2.三方活栓を患者側をOFFにして交通しないようにしておく
3.輸液ラインをシュアプラグから外し、シリンジを接続する
4.シリンジを接続したら、三方活栓を解除する
5.シリンジを少し持ち上げ外筒を引き逆血確認とエアー抜きを行う
6.シリンジ内にたまったエアーを注入しないように注意しながら、生食またはヘパリンシリンジ内の薬剤を注入する
7.完全に注入し終わる前に三方活栓の患者側をOFFにする
8.ルートを邪魔にならないよう綺麗にまとめてネットなどに収納しておく
これらが共通の手順になります。
それぞれの注意点を見ていきましょう。
生食ロック
生食ロックの時は、生理食塩水をシリンジに吸って準備して使用します。
ヘパリンロック
ヘパリンロックでは、あらかじめ調合されたヘパリンシリンジを使用することもあります。
ヘパリンシリンジがない場合は、各施設ことに定められた濃度の溶液をシリンジに準備して使用します。
正しい方法で生食ロック・ヘパリンロックを行うために
新人看護師の間は、臨床の技術にギモンを感じることも多いと思います。
1つずつ解決していくことで、知識になり自分の成長にもつながります。
正しい知識が患者さんの命を救い、また自分が先輩になったときに後輩にも指導することができます。
点滴のロックの方法は、医療機関によってルールがありますが、両方を知っておくことで必要になった時に対応できます。
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