生食ロック?ヘパリンロック?正解が分かる3つのポイントとは

看護学生時代の実習とは違い、臨床では様々な看護技術が求められますよね。

看護学生時代の授業では点滴についての勉強はしたけど、生食ロックやヘパリンロックなどの技術は臨床に出て初めて知った、という新人看護師も多いのではないでしょうか。

看護学生時代にみた教科書にはヘパリンロックの方法で載っているのに、臨床では末梢ルートのロックに関しては生食ロックが主流になっていますよね。

本当にこれで合っているのと疑問に感じている人もいると思いますが、生食ロックとヘパリンロックについて臨床で使える知識を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

輸液ルートをロックする目的を理解しよう

先輩看護師の技術を見学していると、点滴終了後に薬液が入ったシリンジをルート内に通して、点滴終了の処置をしているのを見たことがある人も多いと思います。

点滴の薬剤が通っていたルートをそのままにして終了してしまうとルート内で薬液が固まったり、血液が逆血によりルートが閉塞して使えなくなってしまいます。

留置針で留置してルートを繰り返し使用するためには、ルートの閉塞を防ぎ通りを良くする必要があります。

ルートを閉塞させない目的で行う処置が、ヘパリンロックと生食ロックとよばれるもので、点滴が終了したルートにヘパリンシリンジや生理食塩水を満たして、ルートを保存しておくというものです。

生食ロックとヘパリンロックの違いを知ろう

一般病棟の末梢ルートへの処置として、生理食塩水による生食ロックが普通になっています。

生理食塩水の他にヘパリンを使用して行うヘパリンロックもあるので、違いを紹介していきます。

生食ロック

昔は一般病棟の末梢ルートのロックでもヘパリンを使ったヘパリンロックが主流に行われていました。

しかし、研究が進みヘパリンロックと生食ロックに大きな差はないことが分かり、生理食塩水を使用する施設が増えたと言われています。

また、ヘパリンを使用するとコストも高いため経済的にも生理食塩水を使う施設が増えています。

ここでのポイントは、生食ロックは末梢ルートでしか使用されないということです。

末梢ルートの場合は閉塞しても入れ替えがすぐに行えるという点があるため、末梢ルートでのみ実施されています。

ヘパリンロック

ヘパリンは出血やヘパリン起因性血小板減少性症(HIT)などの副作用や配合禁止薬剤があるなどのデメリットもありますが、血液凝固を予防しルート保持するということで以前は使われています。

以前は末梢ルートにも使用されていましたが、現在は中心静脈カテーテルの時にヘパリンロックが使用されています。

ここでのポイントは、中心静脈カテーテルの場合は1度閉塞をしてしまうと抜去しなければならないため、閉塞させないためにヘパリンシリンジを必ず使用します。

中心静脈カテーテルは看護師で挿入することはできず、ドクターが透視化で処置する必要があるため丁寧に扱うことが大切です。

臨床では中心静脈カテーテルのヘパリンロックが上手くいかず、ルートが閉塞してしまい挿入しなおすということも実際に起きています。

現在ヘパリンロックと生食ロックに関して明確な決まりはありませんが、施設によっては決まりがあるので、必ず院内マニュアルで確認を行い施設の方針に従って実施してください。

ヘパリンロックと生食ロックの手順を確認しよう

ヘパリンロックと生食ロックは使用用途に合わせて選択することが必要ですが、一般的には末梢ルートは生食ロック、中心静脈カテーテルはヘパリンロックが選択されています。

では、実際の手順をポイントを交えながら紹介していきます。

ヘパリンロックの場合はヘパリンシリンジを使うところが多いですが、院内のマニュアルに沿って準備をしましょう。

1.物品を準備して患者さんに点滴終了とロックの処置を行うことを伝えておく

2.輸液セット側の三方活栓をOFFにして交通しないようにしておく

3.三方活栓の蓋を取り消毒を行いシリンジを接続する

4.シリンジ側の三方活栓を開放し患者側と交通させる

5.シリンジを少し持ち上げ外筒を引き逆血確認とエアー抜きを行う

6.シリンジ内にたまったエアーを注入しないように注意しながら生食またはヘパリンシリンジ内の薬剤を注入する

7.完全に注入し終わる前に三方活栓の患者側をOFFにして陽圧ロックをかける

8.ルートを邪魔にならないよう綺麗にまとめてネットなどに収納しておく

ここでのポイントは、逆血確認と陽圧ロックの2点です。

シリンジを接続したら必ず逆血確認を行います。

逆血が確認できない場合はすでに閉塞している可能性がありますが、針先が血管壁に当たって逆血が確認できない場合もあるので、針先の角度を確認するなど対応することが必要です。

陽圧ロックは、シリンジを押し続けたまま三方活栓を回して、患者側をOFFにすることがポイントです。

あまり強い力でシリンジを押しながらOFFにしてしまうと、OFFにしたときに接続が外れ生理食塩水が漏れて汚染してしまうことがあるので注意が必要です。

逆血が確認できない場合もある

ヘパリンロックを行うときにシリンジ内のエアーを抜き、同時に逆血確認も行いますが、逆血が確認できないこともあります。

逆血がない場合は、外筒の先が詰まってしまっていることも考えられます。

そのほかの理由として、針の先が血管壁に当たってしまい逆血が確認できないことも。

この場合は、フラッシュして膨れたり痛みがなければ注入できます。

フラッシュしたときに、膨れたり痛がる場合は、漏れてしまっているのですぐに止めましょう。

三方活栓の向きに注意する

ヘパリンロックや生食ロックを行う場合は、メインルートに接続された三方活栓の側管から行います。

この時に、三方活栓の向きに迷ってしまう人も多いと思います。

メインルートがつながっている時は、側管側に「OFF」が向いています。

生食ロックなど側管から投与する時は、側管に接続したら「OFF」をメインルート側に向けて、側管と患者側のルートが交通するようにします。

そして、エア抜きを行い、生食やヘパリンをゆっくり注入しながら、「OFF」を側管のシリンジ側に向けることで陽圧ロックができます。

このまま、側管とメインルートの三方活栓に蓋をすることで、陽圧に保たれたままロックができた状態になります。

側管への注入が終わったら、患者さん側に「OFF」を向けてメインルートを外して処理を行います。

三方活栓の種類によっては、三方活栓のふたが必要なものもあるので、実施前に忘れずにを準備しておきましょう。

三方活栓の保護栓は外れるとロックの意味がなくなってしまうため、しっかり閉まっているかも確認しておくことが大切です。

正しい方法で実施できるようになるために

新人看護師の間は臨床の技術にギモンを感じることも多いと思いますが、1つずつ解決していくことで、知識になり自分の成長にもつながります。

正しい知識が患者さんの命を救い、また自分が先輩になったときに後輩にも指導することができますよね。

ヘパリンロックと生食ロックのどっちが正解なのという小さなギモンを解決することで1年後は自信をもって働く看護師に成長しているはずです。

紹介したポイントをギモン解決に生かして自分の知識として身に着けて行ってください。

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★TOMO★

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看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。http://openasnurse.com/