こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
初めて術後の患者さんを担当してどのようにバイタルサインや全身管理を行えば良いか分からないという人も多いはず。
今回は、術後のバイタルサイン測定の観察ポイントをお伝えします。
術後の患者さんの全身管理のポイントを知っておくことで、術後管理がスムーズに行うことができますよ!
急性期病棟で働いていると手術後の患者さんと関わる機会が多いです。
手術後の患者さんは、状態が変化しやすいため異常の早期発見が重要なポイントになります。
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術後のバイタルサイン測定の目的
術後の変化を観察しながら、異常の早期発見に努めるため
術後のバイタルサイン測定の必要物品
・心電図モニター
・点滴棒
・輸液ポンプ
・聴診器
手術の内容によって必要な物品を準備しておく
術後のバイタルサイン測定の手順
1.患者が帰室したらベッド環境やドレーン類、点滴などのベッド環境周りを整える
2.帰室直後のバイタルサインを測定する
POINT術後はモニターが装着されているので、モニターの数値と体温などの記録を行う
3.帰室直後のバイタルサインが終わったら、測定時間を記録して帰室後1時間は15分ごと、術後2時間までは30分ごとに測定を行う
4.異常を早期発見するため、時間ごとではなく頻回に訪室して全身状態を観察する
5.疼痛の訴えがあれば、医師の指示を確認し鎮痛剤を使用する
POINT鎮痛剤を使用した場合は、使用した時間を記録しておくこと
6.SpO2の低下が見られたら、深呼吸を促し、改善が見られない場合はすぐに医師に報告する
7.尿量は時間指示があるため、訪室するたびに測定し、記録を行う
8.術後3時間以上は、適宜バイタルサインを行い、全身状態の観察を行う
9.日勤帯で術後を担当し、申し送りを行うときは、術直後から直前までのバイタルサインの経過を簡潔に伝える
POINT医師の指示の変更や追加の処置、鎮痛剤の使用などがあれば忘れずに必ず申し送りで伝えること
術後のバイタルサイン測定の観察項目
麻酔覚醒状態
呼びかけに対しての反応の有無、疼痛の訴えなど
呼吸状態
酸素投与の有無、呼吸回数、呼吸音、喀痰の有無、チアノーゼ、血液ガスデータなど
循環機能
血圧、脈拍数、不整脈の有無、心電図
INOUT
尿量、性状
疼痛
疼痛の訴え、有無、程度、表情など
創部
出血の有無、ドレッシング材など
ドレーン
留意部位、性状、異常の有無、量
輸液
滴下数、挿入部位、時間指示など
術後のバイタルサイン測定のポイント
術後の患者さんの状態は変化しやすいため、頻回に訪室して異常の早期発見に努めることがポイントです。
術後に起こりやすい合併症として、術後出血や無気肺などが挙げられますが、術後出血は血圧やドレーンの排液、創部の状態を観察することが大切です。
また、帰室直後は麻酔の影響が残り寒さを訴える患者さんも多いため、保温をしっかり行いましょう。
時間の経過により麻酔から覚醒してきたら体温も上昇してくるので、体温調整を行うことが必要になります。
麻酔からの覚醒が進み感覚が戻ってきたら足首の足背運動が出来るかどうかの確認も行いましょう。
術後の全身管理は術後の経過に影響してしまいますので、術後の患者さんを担当することになったら今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
術後の異常の早期発見を行うために
手術後の患者さんの状態は変わりやすく、異常が起きた時には命に関わる状態になっていることもあります。
術後は自分の思うように動けない状態なので、体温調節など周りの環境を整えることも大切になってきます。
急性期の患者さんは展開が早いため、常に先のことを予測して準備や観察などを行うことが必要です。
少しでもおかしいと感じたら放っておかずに、すぐに先輩や医師に相談することが早期発見のポイントです。
こちらも合わせてチェックしておくとバイタルサインがより深く理解できます!
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