こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、新人看護師は特に知っておきたい、採血を上達させるためのコツについてお伝えしたいと思います。
看護師になって避けては通れない採血ですが、なかなかうまく出来ないと悩んでいる新人看護師の方も多いのではないでしょうか。
「血管に刺さっているのに逆血がいつまでも来ない」「血管選びが難しい」などの悩みを感じている人のために上達するための3つのコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1)血管は見て選ぶのではなく触って選ぶ
採血というと重要なのは血管選びですが、新人看護師の間はなかなか難しく感じますよね。
一般的に採血の最適部位としては前腕の皮静脈を選択し、肘正中皮静脈、橈骨前腕皮静脈、尺骨前腕皮静脈、前腕正中静脈のどれかの血管で採血を行います。
ここでのポイントは、神経の走行も頭に入れておくことです。
新人看護師が犯しやすいミスの中でも1番多いのが、見えている血管に飛びついて針をさし神経損傷を起こしてしまうということです。
血管を確認したらそのそばには神経が走っているので、そこを必ず頭に入れておきましょう。
採血をスムーズに行うための手順は以下の通りです。
①血管の走行が見えている血管にめがけて針を刺すのではなく、まずは駆血帯を締めたら血管を触る
②静脈の分岐点である「Y字」を探す。「Y字」がはっきり見えている場合はそのままそこを選択して採血する
③「Y字」が見つかったら弾力を確認する。(感触としては「プリッ」とした感触が得られる)弾力も問題なければ「Y字」を選択して採血を行う
④「Y字」が見つからず弾力もない場合は、走行している静脈から弾力が強い血管を選択する
採血を始める前に、上記のことを意識しながら実際の手の感触で血管を選択しましょう。
出来るだけ「Y字」の血管で採血するように練習すると上手くいきます。
また、駆血帯を締めてから2分以内に採血を終えなければなりません。
2)針先の角度も意識しながら採血を行う
穿刺部位を決めたら次は針を刺していきますが、角度は10~20度で針を進めていきます。
「血管にきちんと刺さっているのに逆血が返ってこないから失敗した」と慌ててしまう新人看護師もいますが、血管の壁に針が当たって逆血がみられないことも考えられるので、針を刺したまま角度を少しだけ変えてみます。
逆血がみられたら、そのままの角度でもう少しだけ針を先に進めて手を固定しましょう。
穿刺しても逆血がない場合は血管に入っていないか、血管壁にあたっていることが考えられるので慌ててすぐに抜かずに、落ち着いて角度を調整することで採血が上手くいきます。
3)針先は必ず固定して採血を行うことが重要
今は真空管採血の病院も多いですが、翼状針でシリンジ採血を行っている場所もあるので、両方できるようにしておくと良いでしょう。
真空管採血の際は、片手でスピッツ交換を行わなければなりません。
技術実施の前に必ず環境整備と物品が揃っているか確認をして、自分が取りやすい場所にセッティングしておきましょう。
真空管採血の場合は真空管ホルダーと腕の間に中指を入れて枕のようにすると固定できます。
また、スピッツを交換する際の押し込みで針の先が動いてしまい血管から外れて採血ができなくなってしまうミスも多いため、スピッツ交換の時はホルダーを挟んでしっかり押さえましょう。
2分以内に全てのスピッツへ採血を終わらせなければいけないので焦りも感じると思いますが、落ち着いて対応することが最優先です。
そして翼状針での採決の場合は、逆血が確認できたらそのまま固定しましょう。
止血用に準備した医療用テープで、翼状針をテープ固定してシリンジで採血を行います。
固定しているという安心感で刺入部位から手を話してしまいがちですが、手でも抑えるようにしましょう。
そしてシリンジに取った血液はすぐにスピッツに移し変えましょう。
時間が経ってしまうと血液が凝固してしまい検査ができなくなってしまします。
採血をスムーズに行うために
患者様に針を刺す看護行為は、はじめは怖いと感じる新人看護師も多いと思います。
1歩間違えれば神経損傷などのリスクもあり、責任も重くプレッシャーに感じるため、「採血したくないな」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、採血は患者さんにとって大切な情報で必要な検査なのです。
看護師による人間の目で見た正確さが必要な技術だからこそ、必要とされている技術なのです。
リスクを考えると不安に感じることもあると思いますが、手順通りに正確にこなせばミスする確率も減らすことができます。何よりも技術は経験を積んでこそ身に付くものです。
採血もコツをつかめば上手く実施することができる技術です。「採血は苦手だな」と感じている人も、紹介した3つのポイントを参考にして実施してみてください。
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