毎日病棟で働いていると様々な患者さんと出会う機会が多いと思いますが、中にはクレームを言われる患者さんもいたりしますよね。
丁寧に看護を行っているつもりなのに患者さんから理不尽なクレームを言われ、患者さんへの対応に困ってしまうこともあると思います。
クレームを言われる患者さんへの対応は難しくて苦手に感じることも多いですが、患者さんからのクレーム対応のポイントを紹介しますのでぜひ、参考にしてみてください。
患者さんの不安がクレームの原因になっている
看護師は患者さんの近くにいる存在なので患者さんからのクレームの機会も多いですよね。
時には理不尽なことを言われて落ち込むこともあると思いますが、患者さんのクレームには様々な要因が隠れているのです。
言われた時間に待っていたのに誰もこなかった、この病院はどうなっているんだ、などの怒り混じりのクレームを患者さんが看護師に伝えることがありますが、なぜクレームになってしまうのでしょうか。
では実際に、患者さんのクレームの裏側を見ていきましょう。
最近では個人の権利意識の高まりが強くなってきており、患者さんや家族から医療従事者に対する要求水準が上がってきています。
この病院に入院しているんだからこれくらいしてくれて当たり前という考え方を持った患者さんもおり、これらがクレームとなり暴言や暴力に発展していくこともあるのです。
しかしクレームのきっかけになることがなければ、患者さんも怒ったりすることはありませんよね。
先ほどの入院しているのだからこれくらいしてくれ当たり前という考え方は、患者さんや家族の不安などの負の感情から生じていることが考えられます。
入院していて不安だから看護師がサポートしてくれるだろうという期待に対して、多忙な看護師は1人の患者さんにつきっきりになるわけにはいきませんよね。
患者さんはこんなに不安なのに、自分の要望を聞いてくれないと裏切られた気分になり怒りの感情になってしまうのです。
このような場合であれば、患者さんも看護師もどちらに落ち度はなく余計に対応に困ってしまいますよね。
患者さんのクレームの原因と負の感情がわかったところで、クレーム対応のポイントを紹介していきましょう。
患者さんからよくあるクレーム3パターン
クレームを言われたからといってすぐに謝ることも大切ですが、その場が収まっても根本的な解決になっていなければ意味がないですよね。
クレーマー患者さんは大きく分類して3パターンに分けることができるので、それぞれにあった対応をすることが大切です。
1.疾患などの影響
認知症の患者さんや精神疾患の患者さんは、状況を的確に認知することができずに不安や恐怖を感じ、クレームや暴言、暴力に繋がります。
この患者さんの場合はスタッフによって違う言動をしてしまうと触発してしまうこともあるので、スタッフ間で言動を共有し申し合わせて置くことも大切です。
突然の暴言や暴力によって看護師側も恐怖心を抱くこともありますが、患者さんに振り回されず環境などを整え対応しましょう。
2.ストレスや不安が原因
突然の入院や手術などの環境の変化があった患者さんは、不安やイライラが募ると些細なことでクレームをつけたり、暴言、暴力を振るうこともあります。
患者さんが何が原因で不安に感じているのかを考慮し、必要に応じて傾聴などを行い不安の軽減に努めましょう。
根本的な不安が解決されればクレームも収まることが多いです。
3.パーソナリティ上の問題
疾患や不安要素などが考えられない場合は、個人のパーソナリティの問題によるものかもしれません。
しかし患者さんの周りにある環境全てが影響して、不安や怒りが募っていることも考えられるため原因を特定することが難しいです。
このような患者さんのストレスは理不尽なクレームや暴言、暴力にエスカレートすることも多く、看護師1人で対応することが厳しい場合もあります。
看護師1人で対応が難しい場合は、組織全体で対応を行っていく必要がありますので、先輩や主任、師長など全体で対応を共有し関わっていくことが必要です。
患者さんにも様々なパターンがありその人に合った適切な対応をすることがクレーム解決の近道となります。
クレーム対応をする時のポイント
クレームを言っている患者さんは興奮状態になっていることが多いため、理不尽なクレームに対して言い返したり言い訳などの態度をとることはNGです。
興奮状態にある患者さんに対して、まずは傾聴の姿勢を見せることが重要です。
傾聴しながら対応することで、患者さんは冷静さと落ち着きを取り戻すことができます。
患者さんのクレーム対応をスムーズに行うために
毎日患者さんのサポートを全力でしている看護師ですが、理不尽なクレームや暴言、簿力などに遭遇する機会は多いのです。
クレームに対して悲しくなったり腹が立つこともあるかもしれませんが、人として患者さんのサポートができるような対応をとることが必要になってきます。
患者さんからのクレームに対して苦手意識を持っていた人もいると思いますが、今回紹介したクレーム対応のポイントをぜひ、参考にしてみてくださいね。
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