看護実習では実習中に必ずチームカンファレンスが行われますが、カンファレンスが苦手な人も多いのではないでしょうか?
カンファレンスでは、実習チーム内で共有したいことや話し合いたいことをテーマに実施されます。
カンファレンスが苦手に感じている人の中には、司会としての進め方が分からない人も多いです。
今回は、看護実習のカンファレンスの進め方のポイントについてお伝えします。
menu
スタッフ間での意思統一が重要?実習中カンファレンスとは
実習中はカンファレンスを行う機会が多いですが、カンファレンスは必要ないと感じている学生もいるかもしれません。
チームカンファレンスは、患者さんに提供する看護について看護師個人の対応だけでなく、チーム全体で共有したりケアの見直しや解決策を話し合うために必要な時間なのです。
実際に看護師も、週に1度は部署内でカンファレンスを行なっています。
カンファレンスの内容はその時によって変わりますが、イレギュラーな事態が起きた時の対応や新しい物品の使い方の共有などがあります。
カンファレンスは全員が同じ内容を共有できるように、チーム全体で話合うことが大切になります。
看護はチームで行うものであり、チーム間で共有ができていないと看護の質も低下してしまいます。
また、カンファレンスでは患者さんの治療方針などについても話し合われます。
看護学生がカンファレンスを行う目的
カンファレンスはチーム間の共有や看護の質を向上させるために行われますが、看護学生が行うカンファレンスにはどのような目的があるのでしょうか?
看護学生が行うカンファレンスの目的は、看護を理解するためです。
看護は人に対して提供する技術であり、患者さんによって看護ケアの方法や内容も異なり、正解がないことが多いです。
チームカンファレンスによって個々の体験や学び、様々な視点の意見を取り入れることにより、看護の考え方や視点を広げることができます。
また、困っていることをテーマに挙げてカンファレンスで話し合うことで、解決策を見出せる事も。
学生実習でチームカンファレンスを行うことにより、知識や体験、困っていることを共有することで、看護師になってからも生かすことが出来る貴重な経験に繋がります。
看護学生があげるカンファレンスのテーマ
実習中のカンファレンスでは、どのようなテーマを挙げるべきか悩んでいる人もいると思います。
カンファレンスでは、実習中に自分が困った部分や他の人の意見を聞きたい内容を挙げていきます。
カンファレンスだからと硬くなってしまいがちですが、困ったことを素直に議題に上げて話し合うことが大切です。
テーマの一例を以下に挙げてみます。
- 看護ケアを患者さんが拒否したときの対応について
- 病名宣告されていない患者さんと家族への関わり方について
- 術後の離床が進まない患者さんの関わりについて
- 言語障害がある患者さんとの関わり方や工夫について
このように実習中に困ったこと、他の人の意見を聞きたいと思ったことを挙げてカンファレンスを行います。
自分だけが困っていると思っている人も多いですが、同じ悩みを抱えている学生も多く、情報共有をして解決することは、自分自身の成長にも繋がります。
テーマ選定は難しいですが、積極的に提案していきましょう。
カンファレンスの司会になった時に気をつけておきたいこと
カンファレンスでは、司会や書記などの役割分担を行いながら、話し合いを進行させていきます。
司会はカンファレンスの流れを作っていく役割があるので、気をつけておきたいポイントを押さえておきましょう。
大事なポイントをメモに残しておく
司会はカンファレンスの進行を担う大切な役割があり、話がズレないように修正しながら進行することが求められます。
ただ参加者の意見を聞き流すのではなく、大事なポイントをメモに残し、重要な部分を掘り下げて話し合いを進めていくことが必要です。
話を聞きながら、手元にメモをおいてしっかりポイントを残しておきましょう。
周りを見渡しながら進めていく
司会はただ参加者に意見を求めるのではなく、周りを見渡しながら進行を行うことが必要です。
発言者が偏ってしまわないように、周りを見渡し、全員の意見を聞きだせるように配慮することが必要です。
ただ意見を聞くだけではなく、具体的にどう思うのか?という質問の仕方や参加者が答えやすいように気を配ることおも必要になります。
全員が参加できる環境づくりを行う
カンファレンスは全員が参加して作り上げていくものです。
話し合いの場になると、どうしても発言が得意な人に流されてしまいがちですが、全員が参加できるような環境を作る事も司会の役割です。
発言がしやすいように話を割り振るなど、配慮しながら全員の意見をまとめることが大切になります。
カンファレンスの司会者になった時の進め方
カンファレンスの司会者になった時の進め方を見ていきましょう。
司会の役割と目的
カンファレンスを行うにあたって、進行役が必要になります。
司会はカンファレンスを進行し、全員が発言できるように調整を行ったり、話が脱線したら修正を行うなどの役割を担っています。
司会の具体的な進め方
カンファレンスは、導入、展開、まとめの一連の流れに沿って行われます。
司会は、この流れに沿って話し合いが進むように進行していきます。
カンファレンスは時間を決めて行うため、話し合いが盛り上がって結論が出なかったなどが起こらないよう、時間を調整しながら進めていきます。
具体的な司会の進行について見ていきましょう。
導入
自分が司会者であることの宣言を行い、今回のカンファレンスのテーマや予定時間をメンバー全員に伝えます。
そして、なぜこのテーマを選んだのかという説明を行い、メンバーが困っていることを話し合うためなどの具体的な理由を全体で共有、確認しておきます。
展開
展開は、議題提案者の具体的な説明を行った後に、メンバーから意見発表をしてもらいます。
この時、一方的な意見発表ではなく、司会者が途中でまとめや意見を交えるようにしていくと話の脱線などが修正できるので進めやすいです。
メンバーの中には人前で発言することが苦手という人もいますが、活発な意見交換を行うことでカンファレンスを充実させることができるので、司会者は発言の少ないメンバーに話しを振って発言を促すこともスキルの一つです。
発言に詰まってしまうメンバーがいた場合は、司会者から「他のメンバーからこのような意見が出ていますがどのように考えていますか」、「あなたならどのように対応しますか」などの聞き方で発言をしてもらうことも良いでしょう。
まとめ
展開が終わり、話し合いの中で解決策や共有ができたらまとめを行います。
司会者が話し合った意見をまとめ、臨床指導者や教員からアドバイスをもらいます。
アドバイスをもらい終えたら終了の挨拶を行いますが、アドバイスを受けて学んだことを交えながら前向きな内容で締めると印象が良いでしょう。
カンファレンスについてもっと学びたい人におすすめの本
カンファレンスについて勉強したい人にオススメの本を紹介します。
看護カンファレンス
カンファレンスは学生時代だけでなく、看護師になってからも参加する機会が多いです。
この本では、カンファレンスとは何か?という視点から、カンファレンスの目的や具体的な方策が示されているので、カンファレンスについて理解することができます。
カンファレンスの運営方法についても紹介されており、効率よく司会を進める方法も載っているので、学生カンファレンスにも活用できる1冊になっています。
プチナース 2017年4月号
プチナースが看護学生向けの雑誌ですが、学生の悩みや疑問について分かりやすく紹介されています。
2017年4月号では、カンファレンスの進め方について紹介されており、内容も分かりやすいです。
カンファレンスを誰よりもスムーズに進めるために
学生にとってチームカンファレンスはテーマ選びも難しく、自分の意見をみんなの前で発言することが苦手という人にとっては嫌な出来事の一つだと思います。
学生が行うカンファレンスの目的は、主体性や学びの共有という点なのであまり看護の視点を意識しすぎると上手く行かないことも多いです。
テーマ選びに困ったら、実習中に自分が困ったことを素直に話し合うことを視点において考えるようにしましょう。
学生時代のカンファレンスの経験は、看護師になって働き出してからも必要になるので積極的に意見を発言できるように慣れてくことがオススメです。
関連記事(PR含む)
★TOMO★
最新記事 by ★TOMO★ (全て見る)
- 慌てず冷静になることが大切!病棟の急変対応の流れについて - 2018年3月4日
- カテーテルの長さがポイント!口腔内吸引の手順と吸引のコツ - 2018年3月2日
- 刺入部位の観察がポイント!中心静脈栄養中のケアの手順と観察項目 - 2018年3月2日