こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、血液ガス分析をマスターするための3つのポイントについてお伝えします。
臨床で働いていると学生時代の実習とは違う技術や知識に戸惑う新人看護師の方も多いのではないでしょうか。
「血ガス出してきて」「血ガスのデータはチェックした?」などと先輩から指導され頭がパニックになってしまうこともありますよね。
血ガスというワードに苦手意識を感じている方も多いと思いますが、見るべきポイントさえ覚えていれば怖くありません。
臨床で使える血液ガス分析のポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!
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血液ガス分析の目的
動脈中の酸素分圧、二酸化炭素分圧などから肺の機能障害の有無や生体の酸塩基平衡を把握するため
血液ガス分析で考えるべきポイント
血液ガス分析は、体の中の酸素分圧などを見るために行いますが、病棟では緊急時に行われることもあります。
緊急時以外には、術中の状態管理のために血液ガス分析の検査をすることもあります。
- 酸素化
- 換気
- 代謝(腎機能)
- 酸塩基平衡(体の中のph)
これらが血液ガス分析で、考えるべきポイントになります。
難しい用語が並んでいるので、抵抗を感じる人もいると思いますが、見るべきポイントを押さえておけば難しいことはありません。
血液ガス分析で得られる情報
血液ガス分析で分かるデータは以下の通りです。
- pH(酸の酸性と排出のバランスに異常がないか)
- PaCO₂(肺から二酸化炭素の排出が出来ているか)
- PaO₂(体内に必要な酸素が足りているか)
- HCO₃⁻(腎臓で酸が排出されているか)
これらが血液ガス分析で分かるデータになりますが、このデータから体内で起こっていることが分かります。
データの評価方法を押さえておきましょう。
血液ガス分析の結果から評価を行う
臨床ではデータの報告だけではなく、データを読み解いて報告するアセスメント力が必要になってきます。
最低限の理解が出来ていれば血液ガス分析も怖くないので、それぞれのデータが示す内容を見ていきましょう。
pH水素イオン指数
pH水素イオン指数(power of hydrogen)は、水溶液中の水素イオンがどれくらい存在しているかが分かります。
ここでのポイントは基準値を覚えておくことです。
基準値はpH=7.40であり、pH=7以外は異常を示していると覚えておきましょう。
PaCO₂ (動脈血二酸化炭素分圧)
PaCO₂ (動脈血二酸化炭素分圧)は、動脈中の二酸化炭素の割合を示しています。
基準値は40±5Torrですが、ざっくり40の数字を頭に入れておきましょう。
- 40より高い数字→換気がうまくいっていない
- 40より低い数字→過換気状態
PaO₂ (動脈血酸素分圧)
PaO₂ (動脈血酸素分圧)は、動脈中の酸素の割合を示していますが、これが一番重要です。
基準値は80~100Torrで、60以下は呼吸不全と診断されます。
生命に直結するデータなので、しっかり見ておきましょう!
HCO₃⁻ (重炭酸イオン)
HCO₃⁻ (重炭酸イオン)は腎臓で調整されており、酸塩基平衡の指標になります。
基準値は24mEq/Lであり、アルカローシスやアシドーシスの評価で重要になってきます。
血液ガス分析とアセスメント
データの意味を理解していても臨床で活用できなければ意味がないですよね。
ここでは、アシドーシスとアルカローシスに重点を置いて説明します。
PaCO₂は呼吸に関係している
PaCO₂は呼吸に関係しており、データの結果によって体の中の状態を知ることができます。
- PaCO₂が増加→呼吸性アシドーシス
- PaCO₂が減少→呼吸性アルカローシス
呼吸性アシドーシスは、PaCO₂が体内に溜まった状態になっています。
呼吸性アルカローシスは、アシドーシスとは逆にPaCO₂が過剰に排出されている状態のことです。
HCO₃⁻は代謝に関係している
- HCO₃⁻が増加→代謝性アルカローシス
- HCO₃⁻が減少→代謝性アシドーシス
代謝性アルカローシスは、体内にHCO₃⁻が排出されず蓄積された状態です。
代謝性アシドーシスは、アルカローシスとは逆に、HCO₃⁻が過剰に排出されpHが酸性に傾いた状態です。
手術中の全身麻酔とポジショニングの影響で、状態が変化することもあるので注意が必要です。
血液ガス分析を活用するために
血液ガス分析は、「難しい」「苦手」と感じている新人看護師もいると思います。
難しく感じてしまうかもしれませんが、重要な項目は4つのデータとその症状を理解しておけば大丈夫です。
データを見るだけでなく、結果から「何が起こっているのか?」「これから起こるであろう予測」ができることが大切です。
緊急時は瞬時に判断することが求められます。
血ガス分析が苦手に感じている人は、新人の間に身につけておきましょう!
血ガス分析についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
血ガス分析をはじめ、基礎看護技術についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!
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