こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、排痰ケアの一つである体位ドレナージの注意点とポイントについて紹介します。
肺の解剖をしっかりマスターしておきましょう。
呼吸器疾患などによって、痰などの分泌物が肺や気道に貯留することがあります。
健康な人であれば、咳嗽などによって痰を排出することができますが、患者さんの中には自力で排痰できないこともあります。
分泌物を排出させるためには、体位ドレナージを行なって排痰ケアを行うことがあります。
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体位ドレナージの目的
体位を変えることによって物理的に痰を移動させ排出させやすくするため
体位ドレナージの必要物品
・パルスオキシメーター
・安楽枕
・聴診器
・吸引器
・吸引ビン
・吸引用水
・アルコール綿
・手袋
体位ドレナージの手順
1.食後2時間以上経過していることを確認する
2.胸部レントゲン、聴診、胸部CTなどの所見から分泌物の貯留部位を確認する
3.分泌物の貯留している肺の場所に応じていくつかの体位を用い、各体位10〜20分程度行う
・肺尖区、前上葉区、前肺底区…背臥位
・中葉、舌区…後傾側臥位
POINT40〜60度の角度を保つように体位を保持する
・外側肺底区、患側上の肺野…側臥位
POINT体位枕を使って、90度になるよう体位を保持する
・後上葉区、下葉区、後肺底区…前傾側臥位
POINT側臥位より40〜60度前方に傾けて体位を保持する
・下葉区、後肺底区…服臥位
POINT顔をうつむける場合は、ドーナツ型の枕を使用し呼吸ができるようにする
4.分泌物の貯留部位が特定できない場合は患側を上にした40〜60度の側臥位にする
体位ドレナージの観察項目
全身状態
バイタルサイン
呼吸状態
呼吸困難の有無、パルスオキシメーター、呼吸音、副雑音の有無
検査結果
胸部X線、胸部CT
体動制限の有無
体位ドレナージのポイント
体位ドレナージは分泌物の多い患者さんや気管内吸引のみでは除去できない場合などに実施されます。
ただし、体位ドレナージは以下の患者さんは禁忌となっているので注意しましょう。
・血行動態が不安定な患者
・未処置の気胸
・肺出血、肺梗塞
・体位変換により頭蓋内圧への影響が危惧される脳外科手術後や脳浮腫
また、体動制限や医師により体位変換ができない場合もあるので、実施する前に確認しておくことが必要です。
体位ドレナージは病棟では頻繁に行われるケアではありませんが、必要になったときは今回紹介した記事を参考にしてみてくださいね。
体位ドレナージを効果的に行うために
体位ドレナージは貯留した分泌物を排出させやすくするためのケアです。
体位変換を行うため、パルスオキシメーターで呼吸状態を確認しながら実施することが大切です。
体位変換を行うと呼吸状態も変化することもあるため、実施する時は常に呼吸状態を観察しながら実施しましょう。
また、実施後は呼吸状態の変化などを観察し、評価を行うことも忘れないようにしましょう。
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