こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、食事介助中に誤嚥してしまったときの対処法についてお伝えします。
食事介助が必要な人の中には、誤嚥をしやすい患者さんも多いです。
食事中に誤嚥してしまうと呼吸ができなくなり、最悪の場合、窒息して命に関わる事態になってしまうことも。
食事介助を行うときには、誤嚥を起こさないように気をつけていますが、それでもおきてしまうこともあります。
誤嚥を起こしてしまった時はすぐに適切な対処が必要になります!
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誤嚥したときの症状
誤嚥とは、本来であれば口腔内から咽頭、食道を通って胃に食べ物が送られますが、食道を通らずに喉頭と気管に入ってしまう症状のことです。
誤嚥を起こしてしまうと以下のような症状が見られます。
・激しいむせと咳
・呼吸困難
・顔面紅潮
・チアノーゼ
・表情が苦痛様になる
食事介助中や食事中にこの様な症状が見られたら、誤嚥の疑いがあるので注意が必要です。
誤嚥対処時の必要物品
・吸引器
・パルスオキシメーター
・バイタルサイン測定セット
誤嚥対処時の手順
1.誤嚥の症状が見られたらすぐに食事を中止する
2.ナースコールなどを使って周囲へ知らせる
駆けつけたスタッフに状況を説明し、必要時に医師への連絡や救急カートの準備をしてもらう。
・軽度の場合は席を促したり、吸引を行う
・咳き込んでいる場合は、上半身を下にして背部を叩打する方法(背部叩打法)や腹部を突き上げて異物を排出させる方法(腹部突き上げ法)を使って誤嚥物を気管から排出する
・意識がなく口腔内に食べ物が残っている場合は、食物を押し込まない様に手で掻き出して処置がしやすいようにする
・呼吸困難が治らないときは、パルスオキシメーターでSpO2を測定し酸素吸入の準備を行う
7.医師に連絡し、バイタルサイン測定を行う
誤嚥対処時の観察項目
全身状態
バイタルサイン、チアノーゼの有無、咳き込み、SpO2など
誤嚥対処時のポイント
誤嚥を起こした時は、一人で対処しようとせずにすぐに応援を呼ぶことが大切です。
脳血管障害による後遺症がある人は、嚥下障害などがある人も多いので、食事介助時に嚥下機能の評価やアセスメントを行いましょう。
誤嚥のリスクが高い患者さんの場合は、事前に吸引や酸素ができる環境を整えておくことも大切です。
また、誤嚥の症状が見られずに誤嚥をしている患者さんもいるので、食事介助時にパルスオキシメーターを装着しながら行うなどの配慮も必要です。
誤嚥を起こした時の対処法も大切ですが、起こさないように予防することが大切です。
普段から食事動作などをしっかり観察しておきましょう!
慌てずに誤嚥の対処を行うために
病院に入院している患者さんの中には誤嚥しやすい人も多いです。
特に、高齢者の場合は身体機能の低下なども関係してくるため、誤嚥のリスクを考えて食事介助を行うことが必要です。
目の前で誤嚥してしまった時は慌ててしまいますが、冷静に正しい対処法を取ることが大切です。
誤嚥時の対処法を知りたいという人は、今回紹介した食事介助中に誤嚥してしまったときの対処法についての内容を参考にしてみてください。
誤嚥についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
誤嚥をはじめとした食事介助についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!
この本では、基礎看護技術と臨床看護技術がどちらも紹介されており、内容もカラーで写真がたくさん使用されているので、イメージがしやすいのが特徴です。
食事援助技術のカテゴリーで食事介助についても説明があるので、看護技術の基礎を身につけるためにも是非持っておきたい1冊です。
その他にも、基礎的な看護技術を学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒臨床看護技術を勉強したい看護師にオススメの参考書3選!
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