こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、ポータブルトイレの移動介助のコツについてお伝えします。
患者さんの中には、自分で歩くことは出来るけどトイレ動作などは介助が必要という人もいます。
看護師は全てを介助するのではなく、患者さんの自立に向けた援助を行うことが大切です。
患者さんにとっても、オムツに頼らずに出来るだけ自然な排泄行動ができることが望ましいです。
移動介助を安全に行うためには、正しい方法を理解しておくことがポイントです!
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ボータブルトイレ介助の目的
身体に負担をかけず、自力で安全な排泄を行えるよう援助するため。
ボータブルトイレ介助の必要物品
・使用するポータブルトイレ(手すりあり、手すりの着脱可能なものなど)
・トイレットペーパー
・手袋
・エプロン
・汚物入れ用のビニール袋(排泄量をカウントする時に使用する)
・バスタオル
ボータブルトイレ介助の手順
1.患者にベッド端にこし掛け端座位になり、履物をはく。
2.ベッドの高さをボータブルトイレの座面に合わせる。
3.麻痺がある場合は、健側(麻痺ではない方)にベッドと30〜45度の角度をつけてポータブルトイレを置き健側の手でトイレに捕まってもらう。
POINT麻痺がある場合は、必ず健側(麻痺ではない方)から動作を行う。
4.トイレの手すりにつかまってしっかり立ってもらい、下着を下ろす。
オムツを着用している患者の場合は、あらかじめ両サイドの固定のテープを緩めておく。
5.患者の前に立ち、両手を回して体幹を支えながら安定した体位でトイレに座らせる。
POINT前方への倒れこみを防止するため、前に立ってしっかり支える。
6.立位を保持できない場合は、端座位の状態で患者の足の間に看護師の足を入れ、患者の腰に手を回して引き寄せながら移乗させる。
7.下半身にバスタオルなどをかけ、患者の手の近くにトイレットペーパーを準備する。
8.排泄ができたらナースコールで呼ぶことを伝え、ナースコールを患者の手元に届く位置に置く。カーテンをしっかり閉めるなどプライバシーの保護に努め退出する。
9.ナースコールで呼ばれたら部屋に入り、状況を聞く。
10.臀部から陰部にかけて拭けているかを確認し、必要があれば拭き直す。
11.立位になってもらい下着を上げ、ポータブルトイレの蓋を閉める。
12.患者に手を洗ってもらうか、清潔なおしぼりで手を拭いてもらう。
13.患者の体位や寝具を整える。
14.ボータブルトイレを部屋から下げ、排泄物を確認して洗浄する。
ボータブルトイレは必ず1回ごとに洗浄を行う。
ボータブルトイレ介助の観察項目
安静度、禁忌事項などの指示を確認する
労作時の酸素指示の有無など
座位、立位の安定度
どこまで介助が必要か
麻痺の有無や程度
どちら側が麻痺なのか、動かせる程度なのか
下着や寝衣の状況
パンツ、オムツ、尿取りパッドなど
輸液ルートや酸素カヌレの有無
排泄物
量、色調、臭気、混入物
ボータブルトイレ介助のポイント
ポータブルトイレは病室内で設置することが多いので、病室の環境整備をしっかり行うことが大切です。
ポータブルトイレにも手すりがあるものやないものなど様々な種類があるので、患者さんの状態に合わせて選択することが必要です。
また、できるだけ自力での排泄を援助するために、ベッドからトイレへの移動が楽になるようベッドの高さを調整することもポイントです。
点滴や酸素カヌレがつながっている場合は、ルートトラブルに気をつけながら、移動するようにしましょう。
自分より体格の良い患者さんの場合は、自分1人で無理をせず2人で介助を行うことも大切です。
無理をしないことが患者さんの安全につながりますよ!
安全にポータブルトイレ介助を行うために
患者さんへの援助で大切なことは、できるだけ自立につながる方法で行うことです。
少しでも自分でできることが増えると前向きな気持ちになれたり、治療にも積極的になれるので、オムツに頼らずポータブルトイレなどを活用することも大切です。
夜間のみポータブルトイレを設置している患者さんもいると思いますが、夜間は転倒転落の危険性もあるので、注意することが必要です。
ポータブルトイレの介助について勉強したい人は、今回紹介した病室でも使用されるボータブルトイレの介助についての内容を参考にしてみてください。
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