ルート確保は現場の様々な場面で必要になる看護技術の一つです。
ルート確保が得意だという人の中にも、高齢者の欠陥確保は難しいと感じている人も多いのではないでしょうか?
高齢者の血管は細くてもろくなっているため、ルート確保が難しいです。
今回は、高齢者の血管の特徴を知って失敗しない血管選択を行うコツについて紹介します。
高齢者の血管選択は難易度が高い
ルート確保が得意という看護師でも、高齢者のルート確保には苦労するという人が多いです。
最近では手術を受ける高齢者も多く、手術前のルート確保に苦戦した経験をした人もいるのではないでしょうか?
高齢者の血管の特徴として以下の点が挙げられます。
・血管に弾力がない
・皮膚のたるみにより血管が動く
これらが高齢者の血管の特徴になります。
加齢に伴い血管壁は脆弱で脂肪層が薄くなり、血管が蛇行している人も多いです。
また、皮膚も弾性がなくなり、穿刺した時に血管が動いてしまいます。
そのため、成人のルート確保と違って血管が細くてもろいので血管確保が難しいことが特徴です。
血管が確保できた場合でも、脆弱なため滴下すると漏れてしまったりと安定しにくいことも多いです。
では、ルート確保が難しい高齢者の血管選択のコツを見ていきましょう。
高齢者の血管選択における5つのコツ
ルート確保の基本として、できるだけ太く弾性のある血管を選ぶようにします。
しかし、高齢者のルート確保の場合は、点滴のために太い血管を選んでも失敗してしまったという人も多いです。
・上腕の血管の走行を理解しておく
・触診してから選択する
・皮膚を引っ張りすぎない
・血管を怒張させすぎない
・上肢以外の血管も確認する
これらが高齢者のルート確保を行う時のコツになります。
それぞれのコツを詳しく見ていきましょう。
上腕の血管の走行を理解しておく
高齢者は血管の弾性も少なく、皮膚のたるみにより血管の位置が把握しにくいことがあります。
安定したルートを確保するために、上腕の血管の走行を理解しておくことが必要です。
成人は血管が浮き出るので、分かりやすいですが高齢者は分かりにくいです。
また、神経の走行も同時に頭に入れておきましょう。
触診してから選択する
高齢者の血管は皮膚から見えていても、穿刺すると動いてしまうため、穿刺をする前に血管を触診し、可動性や弾性などを確認します。
この時、弾性が低下している血管や硬い血管は避けるようにしましょう。
皮膚を引っ張りすぎない
高齢者の血管は穿刺の時に動いてしまうからと言って、皮膚をかなり引っ張って穿刺する人もいますよね。
皮膚を引っ張ると血管が見やすくなり、動かないと思われがちですが、皮膚の引っ張りすぎも失敗の原因になるのです。
皮膚を引っ張りすぎることで、皮膚と血管の位置がズレてしまい、穿刺が成功しても漏れやすくなってしまうためです。
針を進める時に逆方向に引っ張ると針が進みやすくなります。
血管を怒張させすぎない
血管も細く、皮膚からの浮き上がりも少ないため、駆血して血管を怒張させる人もいるのではないでしょうか?
怒張させることで血管は見えるようになりますが、怒張させたところに穿刺すると、血管が脆いため漏れやすく失敗の原因になります。
よく、穿刺して針を進めようと思ったら漏れてしまったという経験をした人もいると思いますが、駆血による怒張のしすぎが原因かもしれません。
上肢以外の血管も確認する
人によっては、上腕や上肢の血管でルートが確保できないという人も。
気がつけば、何度も失敗してしまい穿刺する場所が残っていないという場面も、病棟ではよくあることです。
ルート確保の第一選択として上腕や上肢を選びますが、難しい場合は足の血管が成功しやすいことも多いです。
ただし、術前ルートなどの場合は、手術部位などにも関係してくるため、ルート確保が難しい患者さんは主治医にお願いするなどの判断も必要です。
これらが高齢者の血管選択を行うコツになります。
高齢者の血管は脆いため、ルート確保を成功させるためには、慎重に血管を選んで行う必要があります。
無理をしないことも大切
高齢者のルート確保は成人と比べると難しく、ベテランナースであっても失敗してしまうこともあります。
仕事中は時間に追われ、周りのスタッフも忙しそうにしているので頼れない状況もあると思います。
自分でなんとかしなきゃ!と思いながら、何度もルート確保に挑戦している新人ナースもいると思います。
高齢者のルート確保は難しく、何度も穿刺することで患者さんに苦痛を与えてしまう処置でもあるので、1回失敗して難しいと判断したらすぐにリーダや先輩に相談しましょう。
失敗したことに対して落ち込む人もいますが、患者さんの安全と安楽を考えると素早い判断を行うことが必要なのです。
そして、先輩の手技を見て出来るように勉強しましょう。
高齢者のルート確保を成功させるために
高齢者の血管は脆くて細いため、通常のルート確保より難しく苦手に感じている人も多いと思います。
ルート確保に慣れていても失敗することがあるので、慎重に血管を選ぶことが大切です。
そして、無理をせずに難しいと思った時は先輩に頼ることも、患者さんの安全につながります。
高齢者のルート確保を身に付けたいと考えている人は、今回紹介した高齢者の血管の特徴を知って失敗しない血管選択を行うコツについての内容を参考にしてみてください。
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