新人看護師が早期退職してしまう原因とは?

病院や施設によっては、毎年新人看護師が入職してくるというところもありますよね。

でも、すぐに辞めてしまう新人も意外に多く、1年後には新人の人数も半分以下というところも。

離職率が高い病院では、離職しているスタッフの半分が入職1年未満の看護師というところもあるのです。

看護師は専門職であるため経験が重要視されるのに、なぜ新人は早期退職してしまうのでしょうか?

新人看護師の離職率は約7%とかなり高い

せっかく憧れの看護師として働き始めたのに、入職1年未満で退職してしまう新人看護師は意外にも多いのです。

看護師の離職率を見ると、2011年度のデータでは常勤が10.9%、新卒が7.5%という結果になっています。

看護師全体の離職率を見ると4年連続で減少傾向にありますが、大阪や東京などの都心部では離職率は高いままのところが多いのです。

看護師不足が深刻になる中、新人が育たないことから、ますます看護師不足となっているのが現状です。

では、なぜ新人看護師は早期退職してしまうのでしょうか?

新人看護師が退職する理由

入社1年未満や3年未満のローキャリアの離職が目立つ中、特に新卒の離職率が高く、早期退職してしまう人は増えつつあります。

・精神的にきつくなり体調不良で退職
・プレッシャーによるストレス
・人間関係の悪化
・劣悪な労働環境

これらが新人看護師の主な退職理由と言われていますが、それぞれ詳しく見ていきましょう。

精神的にきつくなり体調不良で退職

入職して間もない新人看護師は、環境にも慣れておらず精神的にもプレッシャーを感じている状態です。

新人とはいえ看護師の1人であるため、現場では先輩と同じように仕事をこなすことを求められます。

中には、先輩からの指導がきつくて精神的に参ってしまう人も。

そして、忙しい職場などではバタバタとしていることが多いため、仕事ができない自分に対して責めてしまうことも原因の1つのようです。

新人は仕事ができないのは当たり前ですが、看護師の世界ではその当たり前が通用しないため、無理をして体調を崩してしまう人が多いのです。

中にはメンタルが弱いからなどと言われることもありますが、体調が悪くなるほど追い込まれてしまっていることに気付かない人がたくさんいます。

そしてそのまま体調を崩して休職して、職場復帰できずに退職してしまう新人も多いです。

プレッシャーによるストレス

看護師の現場では人手不足が深刻な問題となっており、病棟を回しているのもいつもギリギリの人数というところも珍しくないです。

スタッフに余裕がない中で新人も戦力の1人なので、早く独り立ちさせようと指導がハードになってしまうこともあるようです。

中には入職3ヶ月で夜勤に入るなど、かなりハイペースで新人教育を行なっている職場もあり、新人がそのペースについていけないことが原因にもなっています。

新人も最初は無理をしてでも指導についていきますが、先輩や周りからのプレッシャーに耐えられず体調を崩してしまうことも多いです。

さらに、こんなに早く辞めたらダメだというプレッシャーも加わり、体調が悪化して出勤できなくなってしまうケースも。

仕事がキツイという理由よりも、周りの環境やプレッシャーなどのストレスが原因となっているのです。

人間関係の悪化

看護師の人間関係は複雑になりやすいと言われていますが、特に新人看護師は職場に馴染めず孤立してしまうこともあります。

そんな中で先輩看護師からの嫌がらせやイジメなどが原因で、退職してしまう新人も多いのです。

職場によっては派閥などが存在しており、師長や主任などが嫌がらせを容認してしまっているところもあります。

また、プリセプターとの関係が悪いことでストレスとなってしまい、体調を崩して仕事が続けられないという人もいます。

職場に慣れない新人看護師にとって、先輩たちの関係が悪くなってしまうと業務にも支障が出てしまい、職場に居ずらいと感じてしまうことも。

このような人間関係の悪化によって、仕事が続けられないという新人も多いようです。

劣悪な労働環境

看護師は人手不足であり、現場ではいつもギリギリの人数で回っているというところも多く、職場によっては新人教育にまで手が回っていないというところもあります。

仕事に慣れていない新人に対しても、残業を強要したり、休憩時間がまともに取れないなどのハードが現場で体調を崩してしまう人も多いのです。

新人看護師の中には、入職して残業続きの毎日を送っている人も多く、残業代が認められないということもあるようです。

このような劣悪な労働環境によって、早期退職をしてしまう新人も多いです。

これらが新人看護師が早期退職してしまう原因ですが、仕事がキツイということと並んで、職場環境による要因も大きいようです。

早期退職せざるを得ない人も多い

早期退職をしてしまう新人看護師も増えていますが、中には早期退職は良くないとわかっていてもせざるを得ない人もいるのです。

職場の環境によって体調を崩してしまったり、通勤が困難になってしまった場合などは、職場環境を変えることが治療の最優先になることもあります。

入職して続けたくても続けられないという人も多いのです。

看護師を長く続けるために

新人は職場に慣れるまでは時間がかかってしまい、ちょっとしたストレスに過剰に反応してしまうこともあります。

体調を崩して早期退職をしないためにも、無理をせず自分のペースを把握して仕事に取り組むことが大切です。

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★TOMO★

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看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/