清潔操作で実施する!膀胱留置カテーテルの手順と尿漏れの対処法

こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。

今回は、膀胱留置カテーテルの手順と尿漏れの対処法についてお伝えします。

病棟では便秘や尿失禁、導尿などの排泄ケアや処置を毎日行っていると思います。

また、自分では清潔が保持できない人に限らず、手術を受ける患者さんにも必要になってくることがあります。

看護師が日々行っている排泄ケアや処置ですが、膀胱留置カテーテルに関しては看護学生時代には経験する機会が少ないので苦手に感じている新人看護師も多いのではないでしょうか?

膀胱留置カテーテルの尿漏れなどのトラブルにも対応できるようにしておきましょう!

膀胱留置カテーテルの目的

  • 綿密な水分出納管理が必要な場合
  • 重度の尿路通過障害を認める場合
  • 尿閉による水腎症や腎機能低下を認める場合
  • ADLが低下しており自己排尿できない場合
  • 創部汚染を予防するため

膀胱留置カテーテルの必要物品

膀胱留置カテーテル挿入

  • バルーンカテーテル
  • 手袋
  • セッシ
  • 消毒用綿球
  • 消毒薬
  • 潤滑剤
  • 処置用シーツ
  • ※膀胱留置カテーテルセットを使う場合もある

尿もれ対処時

  • シリンジ
  • 滅菌蒸留水

膀胱留置カテーテルの手順

膀胱留置カテーテルの挿入

1.男女ともに陰部洗浄を実施してからカテーテル処置を行う

POINT女性の場合は尿道と肛門の位置が近く、陰部に汚れが溜まりやすいため膀胱留置カテーテル挿入の際に感染を起こす原因となるため。

2.陰部洗浄を終え、膀胱留置カテーテル挿入の準備が出来たら消毒を行う。

POINTバルンカテーテルキットに付属している綿球は感染の原因となるため、必ず1回使ったら新しいものを使う。

3.カテーテル挿入前の消毒は感染の原因になるため、順番と方向を守って行う。

POINT女性の場合は、必ず尿道から肛門側の上から下へ、尿道、尿道付近を消毒する。男性の場合は、陰茎を持ち上げ尿道を先に消毒してから尿道付近を消毒する。

4.女性の場合は陰部をしっかり広げて尿道が見えるように挿入する。男性の場合は陰茎を垂直に立ててカテーテルをまっすぐに進める。

POINT尿道が分かりにくい人もいるため、しっかり広げて目視して確認すること。

5.カフ注は尿が確認できてから行う

POINT女性の場合は尿道が短いため、ある程度進めていくうちに尿の流出が確認できる。

男性の場合は尿道が長いためある程度カテーテルを挿入したら陰茎を倒して尿が流出しているか確認する。

6.カテーテル挿入ができたらカテーテルを固定する。

POINT女性の場合は大腿部に突っ張らないようにゆとりを持たせて固定行い、男性の場合は陰茎を立てて下腹部にカテーテルを固定する。

尿もれ時の手順

1.尿漏れを確認したら新しい清潔なシリンジで、カフに入っている滅菌蒸留水を引いて量を確認する。

POINTカフが損傷している場合は、すぐにカテーテルの交換が必要

2.10mlより少ない場合は滅菌蒸留水が減ったことによりカフの隙間から尿漏れしていることが考えらえるので、新しいシリンジで滅菌蒸留水を足す

3.シリンジ内の蒸留水が10mlであった場合はカテーテルの太さが合っていないことが考えらえるため、調整が必要。

POINT尿漏れは体動によって生じることもあり、カフ注で内容量を確認して様子観察を行っても尿漏れがみられる場合はカテーテルのサイズを大きいものと交換する。

膀胱留置カテーテルの観察項目

排尿状況

最終排尿時間、利尿剤内服の有無など

下腹部の状態

緊張の有無、疼痛の訴え、不快感の訴え

全身状態

バイタルサイン

尿の状態

性状、色、におい、混濁の有無など

膀胱留置カテーテルのポイント

膀胱留置カテーテルは長期的に留置することが多く身体にとっては異物であり、感染を起こすリスクが非常に高くなります

感染のリスクを減らすためにも必ず陰部洗浄を行いましょう。

また、カテーテルの固定ですが突っ張った状態で固定をしてしまうとカフが膀胱内を圧迫して炎症の原因になったり、カテーテルが引っ張られた場合も抜去による尿道損傷などのリスクがあります。

このため、固定するときはカテーテルを少したるませてテープで止めておきます。

膀胱留置カテーテルを挿入していても尿漏れが見られる事があるので、尿漏れがあったら対処するようにしましょう。

私も新人の頃は尿もれに対してどのように対処して良いか分からない経験がありました。

膀胱留置カテーテルが入っているから漏れないということはないので、しっかり観察を行いましょう。

膀胱留置カテーテルの管理ができるようになるために

膀胱留置カテーテルは様々な場面で使用する事が多いです。

特に寝たきりの患者さんは長期間留置することになるため、感染のリスクも高くなります。

カテーテル挿入時は、感染を予防するためにも清潔操作で行う事が大切です。

挿入前にはしっかり陰部洗浄を行い、清潔な状態で実施するようにしましょう!

膀胱留置カテーテルをもっと深く学びたい人におすすめの参考書

膀胱留置カテーテルについてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!

完全版 ビジュアル臨床看護技術ガイド

この本では、新人看護師の疑問や技術の根拠が詳しくのっているため、基礎的な部分を学びたい人にはピッタリの1冊です。

また、Part6 ドレーン・術後管理のカテゴリーでは、膀胱留置カテーテルについても詳しく説明されています。

臨床で必要になる看護技術が51項目も紹介されているので、ほとんどの分野で活用できる内容です。

その他にも、膀胱留置カテーテルをはじめ基礎的な看護技術を学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒臨床看護技術を勉強したい看護師にオススメの参考書3選!

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★TOMO★

★TOMO★

看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/