こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、腹腔ドレーンが分かるポイント3つについてお伝えします。
外科の手術などでは、手術が終わると患者さんの身体にはドレーンが留置されています。
身体に留置されたドレーンは、手術部位と目的に合わせて挿入されています。
どの部分にドレーンが挿入されているかによって見るべきポイントも変わってきます。
ドレーン管理に不安を感じている新人看護師も多いと思いますが、ポイントを押さえておけばドレーン管理も怖くありませんよ!
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腹腔ドレーンの目的
腹腔内の有害な体液の排出や感染源となる体液の貯留を防ぎ感染を予防し、排液から患者さんの状態を把握するため
腹腔ドレーンの留置部位
手術部位と留置部位は以下の通りです。
- 胃切除、脾臓切除、膵臓切除→左横隔膜下
- 肝切除→右横隔膜下、ウィンスロー孔
- 胃切除、肝切除、胆のう切除術後→ウィンスロー孔、肝下面
- 下行結腸切除→左結腸傍溝、ダグラス窩
- 上行結腸切除→右結腸傍溝、ダグラス窩
- 直腸切除→ダグラス窩
手術室からの申し送りでは、必ずドレーン挿入部位も申し送りされるので、きっちり確認しておくことが必要です。
腹腔ドレーンの種類
ドレーンには開放式ドレーンと閉鎖式ドレーンの2種類あるのでそれぞれの違いを押さえておきましょう。
開放式ドレーンと閉鎖式ドレーンの特徴と比較は以下の通りです。
開放式ドレーン
ドレーンの端が刺入部から出た状態で、先端にバッグは接続されていません。
ドレーンの先端をガーゼや吸収ドレッシング剤で覆う形で使用され、排液が少なく早期に抜去できると予測される場合に用いられ自然に排液させます。
閉鎖式ドレーン
ドレーンの先端を排液バッグに接続して自然の圧差や重力で排液させるものと、持続吸引を接続して陰圧をかけて排液を促すものがあります。
閉鎖式ドレーンのバッグは挿入部位よりも低い位置で保持することと、感染するリスクが低いことがポイントです。
これらが閉鎖式、開放式ドレーンの違いです。
臨床では開放式ドレーンは盲腸の通常手術時に使用されたりしていますが、盲腸でも腹膜炎を発症している場合は閉鎖式を使用することが多いです。
また、消化管手術の時は感染のリスクを考えて閉鎖式ドレーンを使用します。
腹腔ドレーンの観察項目
排液量
1時間あたりの量
排液
色、性状、臭いの有無
ドレーンバッグの位置
ドレーン刺入部位
発赤、疼痛、浸出液の有無など
腹腔ドレーンのポイント
腹腔ドレーンは、手術部位によって留置される部位が違うので「どこに入っているのか」を把握しておく事が大切です。
手術室からの申し送りでは、ドレーンの留置部位に関しては必ず申し送りがあるので、聞き逃さないようにしておきましょう。
また、ドレーンの色や量、性状などの観察も重要なポイントになります。
術後は帰室後の排液量によっては、術後出血を起こしている事が分かるので、観察が必要です。
帰室したらドレーンのメモリを確認し、1時間あたりの量を把握しておきましょう!
腹腔ドレーンのケアが上達するために
腹腔ドレーンは、手術部位によって挿入場所も変わるため、苦手意識を持っていた人も多いと思います。
手術室との引継ぎで、ドレーンの挿入部位を聞いておらず困った経験をした人も多いのではないでしょうか?
術後のドレーンの情報は、患者さんの異常の早期発見にも繋がる大切な情報です。
術後は特にこまめに観察を行う事が大切です。
腹腔ドレーンをもっと深く学びたい人におすすめの参考書
腹腔ドレーンについてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!
この本では、ドレーンの種類・目的から、観察方法、患者指導、ドレーン別のケアポイントなど基本中の基本をまとめている1冊です。
カラー写真とイラストを使って丁寧に解説しているので、パッと見て理解しやすい内容となっていて、ドレーン管理の基礎を学びたい人にはおすすめです。
その他にも、ドレーン管理をはじめ呼吸器外科について深く学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒呼吸器外科の術後ケアが身につくオススメの参考書3選!
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