粘膜損傷に注意!摘便の手順と注意するポイントとは?

こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。今回は、摘便の手順と注意するポイントについてお伝えします。

摘便は、自分で排便ができない患者さんに行われる処置の一つです。

指を入れて直腸付近に貯留している便を掻き出すため、患者さんにとっては苦痛になります。

また、直腸粘膜の損傷にも気を付ける必要があります。摘便は正しい方法で行う事が大切になります!

摘便の目的

直腸下部に停滞した硬便を除去し、排泄を促進する

摘便の必要物品

  • ゴム手袋
  • 潤滑油
  • 処置用シーツ
  • 紙おむつまたは便器
  • 陰部洗浄の物品
  • エプロン

摘便の手順

1.患者の下着を外し、殿部を露出し、掛物をかけて調整する。

2.殿部の下に処置用シーツを敷き、その上にオムツまたは便器を置く。

3.手袋を着用して潤滑油を指に付ける。

POINT手袋は2重に装着しておく。

4.潤滑油のついた指を肛門にゆっくり挿入する

POINT患者が痛みを訴える場合は無理に実施しない。

5.便塊に触れたら指でゆっくり体外へと掻き出す

POINT無理をせず少量ずつ掻き出す。

6.最初の便を出した後に自然排便が見られる事があるため、様子を見て繰り返す

7.摘便が終了したら2重手袋の1枚を外して洗浄する。

摘便の観察項目

下剤の内服状況

内服薬の種類、最終内服時間など

腹部の状態

腸蠕動音の聴診、腹部膨満感の有無など

肛門の状態

痔核の有無など

摘便のポイント

摘便は肛門に指を入れて行うため、患者さんにとって苦痛を与える処置の一つです。

実施中は患者さんの表情が見えにくいですが、実施する時は表情や言動、訴えの観察を行いながら進める事が大切です。

また、直腸内の粘膜は傷がつきやすいため、無理をして掻き出すと傷がついてしまうこともあります。

患者さんの様子を見ながら進めていく事がポイントになります。

患者さんの中には、痔を持っている人もいるので、必ず確認してから実施するようにしましょう。

痛みの訴えがあった場合は、無理に実施しない事が必要です!

安全に摘便を行うために

摘便は患者さんにとって苦痛であり、羞恥心を伴う処置の一つです。

また、直腸粘膜や柔らかく傷がつきやすいため、処置中に出血が見られることもあります。

処置中は自分の手元ばかりに集中するのではなく、患者さんの表情を見ながら進めるようにしましょう。

正しい手順で実施する事が、患者さんの安全にも繋がりますよ。

摘便についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書

摘便についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!

根拠と事故防止からみた基礎・臨床看護技術

この本では、基礎看護技術と臨床看護技術がどちらも紹介されており、内容もカラーで写真がたくさん使用されているので、イメージがしやすいのが特徴です。

第3章の排泄援助技術のカテゴリーでは、摘便についても詳しく説明されています。

摘便をはじめ、看護技術の基礎を身につけるためにも持っておきたい1冊です。

その他にも、基礎的な看護技術を学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒臨床看護技術を勉強したい看護師にオススメの参考書3選!

関連記事(PR含む)

The following two tabs change content below.
★TOMO★

★TOMO★

看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/