こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、呼吸音の聴診と異常呼吸音についてお伝えします。
呼吸音は、異常呼吸音の判断をしっかりすることが大切なポイントです!
呼吸は人間にとって大切な機能の一つであり、呼吸の異常は全身状態に影響を与えることも。
新人ナースや学生の中には、呼吸音の聴診と異常呼吸音の判断が難しいと感じている人も多いですよね。
異常呼吸音は4つに分類されるので、それぞれの特徴をしっかり押さえておきましょう!
呼吸音聴診の目的
呼吸音の観察を行うことで呼吸状態の変化を把握し、異常の早期発見を行うため
異常呼吸音とは
呼吸音の聴診をしたことがある人は分かると思いますが、通常であればスースーと呼吸に合わせて音が聞こえると思います。
これは健康な人の呼吸音であり、正常になります。
異常呼吸音は、このスースーという正常な呼吸音とは違う呼吸音が聞こえることです。
異常呼吸音は副雑音と呼ばれ、大きく2パターンに分類されます。
- 断続性のもの
- 連続性のもの
そして、これらの分類からさらに細かく分類されていきます。
異常呼吸音の分類
先ほどの項目でお伝えした通り、副雑音には大きく分けて、断続性のものと連続性のものの2パターンがあります。
さらに、ここから細かいものや粗いものなどに細かく分類され、全部で4つのパターンがあります。
4つのパターンの副雑音は以下の通りです。
- 細かい断続性副雑音
- 粗い断続性副雑音
- 低調性連続性副雑音
- 高調性連続副雑音
それぞれの副雑音の詳細を見ていきましょう。
細かい断続性副雑音
パリパリやチリチリとした音が吸気時に起こる副雑音ですが、通称は捻髪音(ねんぱつおん)と呼ばれています。
英語では(fine crackle ファイン・クラックル)と表記されます。
主に、間質性肺炎や肺気腫などの時に聞こえ、弾力性を失った肺胞が膨らむ際になる音とされています。
粗い断続性副雑音
粗い断続性副雑音はポコポコやブクブクなどの低めの音で、吸気時、呼気時を通して聞こえるのが特徴です。
英語では、(coarse crackle コース・クラックル)と表記され、通称は水泡音と呼ばれています。
肺炎や肺気腫、細菌性肺炎、慢性気管支炎などの時に聞こえます。
低調性連続性副雑音
低調性連続性副雑音はグーグーという低い音で、呼気時に聞こえるのが特徴です。
英語では、(rhonchi ロンカイ)と表記され、通称ではいびき音と呼ばれています。
気道狭窄により狭くなった気管内に空気が通過する時に聞こえるため、気管内が狭くなった状態です。
高調性連続副雑音
高調性連続副雑音は、ヒューヒューと高い連続の音で、呼気時に聞こえるのが特徴です。
英語では、(wheeze ウィーズ)と表記され、通称は笛様音と呼ばれています。
気管支喘息や肺気腫、気管内異物によって気管内が狭窄された状態によって起こります。
呼吸音聴診のポイント
呼吸音の聴診は呼吸器疾患の状態を把握するために必要な技術の一つです。
特に高齢者は、肺炎などを起こしても自覚症状がない場合も多いので、毎日の観察で把握しておくことが必要になります。
呼吸音を聴診するときは、安静にして深呼吸を促しながらリラックスした状態で行いましょう。
呼吸音の聴診は、肺炎などの早期発見にもつながるためしっかり行いましょう。
患者さんに深呼吸をしてもらうことで聴診しやすくなりますよ!
スムーズに呼吸音の聴診を行うために
呼吸音の聴診は自信がないという人も多いと思います。
知識として理解していても実際に音を聞かないければ判断が付かないことも多いので、学生さんや新人ナースは積極的に聴診を行い、呼吸音を聞く機会を作ることが大切です。
また、聴診を行うときは、聴診器が当たると冷たさを感じて驚く患者さんも多いので、実施前に少し手で温めてから行うと冷感を与えずに済みます。
病棟では様々な症状の患者さんが入院しているので、症状から病態を知るためにフィジカルアセスメントの力を身につけましょう!
呼吸音聴診についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
呼吸音聴診についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!
呼吸はフィジカルアセスメントの中でも重要度が高く、生命に関わるものであるため正しい観察が大切になります。
聴診や観察に自信がないという人もいると思いますが、この本では呼吸のフィジカルアセスメントについてイラストや図解によってアセスメントに必要な知識と技術が紹介されているのでイメージしやすいです。
その他にも、呼吸器系について深く学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒呼吸器内科で必要な看護ケアが分かるオススメの参考書3選!
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