こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、褥瘡好発部位と褥瘡予防についてお伝えします。
褥瘡は床ずれのことですが、寝たきりの患者さんに多く見られる症状の一つです。
病院や施設では褥瘡を予防する取り組みが行われていますが、日々の観察やケアが大切になります。
特に新人看護師の中には、褥瘡予防に自信がないという人も多いのではないでしょうか?
褥瘡予防を行うためには、褥瘡が出来やすい部位である褥瘡好発部位をしっかり把握しておきましょう!
褥瘡予防の目的
褥瘡の要因を取り除き、褥瘡の発生や悪化を防ぐため
褥瘡の分類
褥瘡には、症状の程度に合わせて評価を行います。
褥瘡の重症度の評価にはDESIGN-R(デザインスケール)などを使ってデータとして表されます。
褥瘡がどのようなものか分からないという人もいると思いますので、NPUAPの褥瘡の分類を例に褥瘡がどのようなものか見ていきましょう。
このように、症状に合わせてⅠ度、Ⅱ度と分類されます。
褥瘡予防の手順
褥瘡を予防するためには、褥瘡好発部位への圧力を徐圧を図ることが大切になります。
まずは、褥瘡好発部位について見ていきましょう。
褥瘡好発部位
・仰臥位:後頭部、肩甲骨部、肘関節部、仙骨部、踵骨部
・側臥位:耳介部、肩鎖関節部、側胸部、大転子部、膝関節外側部、足関節外果部
・座位:肩甲骨部、仙骨部、臀部
それぞれの褥瘡予防のポジショニングを見ていきましょう。
仰臥位
1.ベッドの頭部を30度に挙上し、大腿部を30度挙上する。
2.この時大腿部を先に挙上してから頭部を挙上させる。
POINT頭部と大腿部を挙上させることで、身体が下にずれにくくなるので仙骨部を徐圧できる。
側臥位
1.側臥位に体位変換を行う
2.両足と側腹部に安楽枕やクッションを挿入し、体を30度に傾ける
3.踵は足関節と膝関節に小さいクッションを当てて浮かせる
4.骨の突出がある部分は、クッションなどを使って圧迫を軽減させる
座位
1.車椅子や椅子へ移乗を行う
2.座るときは90度の角度を保持するように、背中、膝、腰部分にクッションなどを使って体位保持する
褥瘡予防の観察項目
個人要因
年齢や基礎疾患の有無
自立度
寝たきり、体動制限の有無、運動状態など
褥瘡
褥瘡の有無、程度、治療方針など
全身状態
栄養状態、オムツの使用など
褥瘡予防のポイント
褥瘡は年齢や栄養状態など様々な要因によって引き起こされますが、一番の原因は同一部位への長時間の圧迫になります。
病院や施設では寝たきりの高齢者も多く、褥瘡が発生しやすい環境です。
褥瘡は一度発生してしまうと治りにくいため、発生させないことが大切になります。
病院で取り組んでいる褥瘡対策をしっかり理解して予防を行うことが必要になります。
褥瘡は進行は早いですが、治りは遅く、寝たきりの高齢者では完治が難しいのが現状です。
褥瘡予防の取り組みを行う時には、今回紹介した褥瘡好発部位と褥瘡予防についての内容を思い出して見てくださいね!
褥瘡を予防するために
褥瘡は高齢者に多い合併症と思っている人もいるかもしれません。
高齢者は褥瘡が発生しやすいですが、若い人であっても長時間同一体位で過ごしていると褥瘡になってしまいます。
褥瘡が発生してしまうということは、看護師の管理が出来ていないと認識されてしまいます。
患者さんの治療をサポートするためにも褥瘡を予防するための取り組みをしっかり行いましょう。
褥瘡予防についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
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