こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、高齢者のバイタルサイン測定のポイントについてお伝えします。
高齢者の患者さんも多いので、高齢者のバイタルサインの変化を知っておくとアセスメントがスムーズにできますよ!
バイタルサイン測定は看護の基本であり、正常値と患者さんの状態を判断しなければなりません。
高齢者のバイタルサインを測定すると、正常値と逸脱しているから異常だ!と慌ててしまった経験がある人も。。
高齢者は加齢や基礎疾患などを考慮してバイタルサインを判断することが必要です。
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高齢者のバイタルサイン測定の目的
高齢者の全身状態の把握を行い、異常の早期発見などを行うため
高齢者のバイタルサイン測定の必要物品
・血圧計
・秒針付きの時計かストップウォッチ
・聴診器
・体温計
・パルスオキシメーター
高齢者のバイタルサイン測定の手順
1.物品は全て正常に測定ができるか点検を行なっておく
2.患者にバイタルサイン測定を行うことを伝え、直前に運動や食事、入浴などを行なっていないことを確認する
3.内服がある場合は、内服確認も行う
POINT高齢者は血圧の薬を内服している人が多いので、内服薬の種類も把握しておく。
4.脇の汗を拭き取り、体温計を深部にしっかり挟み込み、測定中は安静にしてもらう
POINT自分で挟み込みや保持ができない高齢者も多いので、しっかり挟み込めているか確認する
5.測定をしていない方の腕で脈拍測定を1分間行う
POINT高齢者は不整脈も多いので1分間測定する
6.脈拍測定を行いながら呼吸回数をカウントして、パルスオキシメーターを装着する
POINTパルスオキシメーターでも脈拍が表示されるが、触診することが大切
7.血圧測定を行い、正常値より大幅に数値が超えている場合は、深呼吸を促して再度測定を行う
POINT再検しても数値が変わらない場合は、経過から考えて判断する
8.聴診器で呼吸音を聴診して肺雑音の有無を確認する
POINT高齢者は肺炎などの疾患にかかっていも自覚症状がないこともあるので、呼吸器疾患がなくても呼吸音の聴診を行う
高齢者のバイタルサイン測定の観察項目
意識レベル
表情、反応、言動、会話の受け答えなど
全身状態
バイタルサインの数値、最近の経過から逸脱していないか
呼吸状態
SpO2、呼吸音、呼吸困難感の有無など
排便や排尿
性状、回数など
内服
内服状態、内服薬の種類
食事
食事摂取量、水分摂取量
高齢者のバイタルサイン測定のポイント
高齢者のバイタルサインは、一般的な成人の正常値から外れていることも多いです。
異常値だと思っていても、その人にとっては正常範囲内ということもあります。
また、心疾患や呼吸器疾患、内分泌疾患などの基礎疾患を抱えている高齢者も多いので、既往歴を確認して数値を判断することが大切です。
内服薬の中にも血圧に関する薬を飲んでいる高齢者も多いので、薬剤の効果も合わせて観察しましょう。
高齢者のバイタルサインが変動する原因
高齢者のバイタルサインの基準値の目安は以下の通りです。
・脈拍:60〜80回/分
・SpO2:95%以上
・血圧:130〜140/70〜80mmHg
・呼吸:16〜20回/分
・体温:36度前後
また、加齢などによる影響でバイタルサインにも変動が見られます。
血圧
加齢に伴い血管の弾力性が失われてしまい、血流も悪くなります。
血流が悪くなることで、心臓から血液を送り出すポンプの働きにも負担がかかってしまうため、収縮期血圧が高くなります。
体温
加齢により体温調整機能が低下し、体温が低くなる傾向があります。
また、寒さや暑さに対して感覚が鈍くなり、汗もかきにくくなります。
寒くなっても皮膚の血流量が減らないため、体内の熱を保持しにくく体が冷えやすくなってしまいます。
呼吸
高齢者になると加齢の影響で肺の弾力性が低下し、呼吸筋力の低下も伴い呼吸機能が低下します。
そのため、呼吸数は成人と比較して少なくなる傾向があります。
このように高齢者の場合は、加齢に伴う身体の変化を考慮してバイタルサインを判断することが大切です。
病院では高齢者の患者さんと関わる機会も多いので、バイタルサインで悩んだ時には、今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
高齢者のバイタルサイン測定を正しく行うために
高齢者は加齢の影響も考えてバイタルサインの結果を判断することが大切です。
また、基準値だけで判断するのではなく、日々の経過や内服の状況から総合的に考えることがポイントです。
高齢者は様々な基礎疾患を抱えて生活を送っている人も多く、既往歴なども大切な情報の一つになります。
測定値だけを見て判断するのではなく、患者さんそのものを観察して判断することが必要です。
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