清潔と不潔の区別がポイント!オムツ交換の手順と観察項目

こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。

今回は、オムツ交換の手順と観察項目についてお伝えします。

オムツは、尿失禁や便失禁が寝具や寝衣に漏れないために使用されます。

患者さんや利用者さんのADL(自立度)や症状によってオムツの選択が必要ですが、オムツ内で排泄をすることは抵抗がありますよね。

尿で汚染されたオムツを長時間着用するのはストレスにもなってしまいます。

オムツは汚染物になるため、清潔と不潔の区別を理解しておきましょう!

オムツ交換の目的

  • オムツを着用することにより、ADLの拡大が図られ安心して生活できる
  • 周囲の汚染を防ぎ、衛生的な生活が保てる

オムツ交換の必要物品

・交換用のオムツと尿取りパッド
・陰部洗浄用の微温湯
・陰部清拭用のホットタオル
・乾いたタオル
・トイレットペーパー
・手袋(2枚以上)
・プラスチックエプロン
・汚物用のビニール
・防水シーツ
・(皮膚保護剤)

オムツ交換の手順

排便時

1.ベッド周囲のカーテンや病室のドアを閉めて環境を整える

2.手袋とエプロンを着用し、仰臥位の状態で患者のズボンを脱がせる

下着やパジャマのズボンは完全に脱がせておく

3.殿部の下に処置用シーツを敷いて汚染を防ぎ、オムツを開く

テープ付きの場合は、テープが他の場所につかないように内側に折り込む
パンツ型の場合は、両サイドを手で裂く

4.外側から陰部、臀部(おしり)に向かってトイレットペーパーやお尻拭き用のティッシュなどを使って身体に付着した便を拭き取る

5.汚染したオムツを便がこぼれないようにゆっくり引き抜く

6.便器を挿入し、微温湯や石鹸を使って陰部洗浄を行い、石鹸が残らないようしっかり洗い流す

石鹸は皮膚への刺激となるた十分に洗い流すことが必要である

7.皮膚に水分が残らないように乾いた布でふく

8.新しいオムツを臀部の下に敷き、股と背部、腹部に隙間ができないようにテープで固定する

9.オムツの位置を確認して衣類を着用する

排尿時

1〜3の手順は同じ

4.汚染している尿取りパッドを外して汚染用ビニールに捨てる

5.患者に側臥位になってもらい、陰部や殿部の汚れを微温湯で流し蒸しタオルで清拭する

側臥位になるときは、患者の体位が安定するようにベッド柵などを持ってもらう

6.清拭した後は水分が残らないように乾いたタオルで拭き取る

臀部の皮膚の状態を観察しておく

7.紙おむつを汚染した部分を内側に巻き込み、患者の体の下に入れ込む

8.新しい紙おむつは体の下に入れ込む側を丸めて手前側から当てる

9.新しい尿取りパッドを陰部に当てて仰臥位になってもらい、反対側の側臥位になってもらう

側臥位になった時にオムツの位置を合わせておく

10.体の下に入れ込んだ汚染した紙おむつを取り、汚物用ビニールに捨てる

11.新しいオムツの位置を確認してテープで固定する

オムツ交換の観察項目

排尿の間隔

排尿回数、水分摂取量

体動の可能レベル

体位が保持できるか

尿の性状

量、色調、臭気、混入物

便の性状

量、色調、臭気、混入物

皮膚の状態

発赤、湿疹、湿潤など

自覚症状

悪心、嘔吐、腹部膨満感、残尿感、排尿時痛

オムツ交換のポイント

オムツを着用する場合は尿取りパッドを使用しますが、病院によってはコスト面を考慮して尿取りパッドのみを取り替えることもあります。

また、新しいオムツを体の下に引き込む時にオムツの中心がずれてしまうことがあるので、中心をしっかり合わせるようにしましょう。

腰上げをしてもらい、オムツを敷きこむ方法もあるので、患者さんの状況に合わせて行うことが大切です。

オムツは無理に引っ張ると摩擦によって皮膚トラブルを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

紙おむつには様々な種類があるので、患者さんの排泄パターンや生活パターンに合わせて選択することがQOL(生活の質)の向上にもつながります。

私も新人の頃はオムツ交換が上手くできず、シーツを汚染してしまった経験があります。

オムツ交換中に排泄が見られる場合もあるので、素早く行うことが大切です!

正しい手順でオムツ交換を行うために

オムツ交換は患者さんにとって恥ずかしさを伴う処置の一つです。

また、オムツ内での排泄は苦痛にもなるため、排泄パターンを把握してこまめに交換するなどのケアも必要です。

オムツ交換は看護技術の基本になるので、正しい手順を理解しておきましょう。

オムツ交換の手順について身に付けたいと考えている人は、今回紹介したオムツ交換の手順の内容を参考にしてみてください。

オムツ交換についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書

オムツ交換についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!

看護技術がみえる vol.1 基礎看護技術

基礎看護技術が写真で説明されていますが、コマ送りの細かい写真で紹介されているので流れを理解するのも簡単です。

排泄ケアのカテゴリーでオムツ交換についても説明があるので、看護技術の基礎を身につけるためにも是非持っておきたい1冊です。

その他にも基礎看護技術を学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒基礎看護技術を勉強したい看護学生にオススメの参考書3選!

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★TOMO★

★TOMO★

看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/