点滴が落ちていない!考えられる5つの原因とその対処法について

病院で働いていると点滴を行う機会が多く、ルート確保に苦戦している新人看護師も多いと思います。

無事にルートが入り、いざ点滴を落とすと「落ちない!」、「さっきまで落ちていたのに止まっている?」という経験をした人もいるのではないでしょうか。

点滴が落ちない状況に焦ってしまう新人看護師も多いはず。

今回は、そんな点滴が落ちない原因と対処法について紹介します。

点滴が落ちない時に考えられる5つの原因

病棟で働いていると、ルート確保を行い点滴をつなぐと「落ちない!」という場面によく遭遇します。

点滴が落ちないことに焦りを感じて、すぐに先輩に相談に行く新人もいますが、まずは原因を知ることが大切です。

ルートが入っているのにも関わらず点滴が落ちないという状況には、必ず原因があります。

その原因を把握しなければ、先輩に相談しても解決しません。

点滴が落ちないと慌てる前に、点滴が落ちない原因を探りましょう。

  1. 点滴漏れ
  2. 血管壁に当たっている
  3. ルートが詰まっている
  4. クレンメが閉まったまま
  5. ルートが曲がって閉塞している

これらが点滴が落ちない時に考えられる原因になります。

それぞれの原因を見てきましょう。

1)点滴漏れ

点滴の刺入部位を観察して、点滴が漏れていないか確認します。

点滴漏れを起こしている場合は、留置針周囲がぷっくりと膨らんでいる様子が見られます。

また膨らみだけでなく、発赤や腫脹、疼痛、熱感などの有無も確認します。

患者さんに前回の点滴の状況なども聞き、点滴が落ちにくかった、ルートを変えてもらったなどの情報収集を行います。

2)血管壁に当たっている

留置針の先が血管壁に当たっていると点滴が滴下しないことがあります。

しっかり固定を行なっていても、よく動く肘付近などは体動などにより針がずれてしまうことも多いです。

高齢者の細い血管でも同様に、血管壁に当たりやすいため滴下不良が見られやすいです。

3)ルートが詰まっている

ルートを留置する場合は、生食やヘパリンを使って陽圧ロックをかけますが、ルート内が詰まってしまうことがあります。

留置して時間が経っている場合や、留置針が細いゲージのものだと詰まりやすいです。

4)クレンメが閉まったまま

ルート確保を行い接続したものの、クレンメを解放するのを忘れてしまっていることもあります。

また、点滴中も患者さんや家族がクレンメを触って、閉まった状態になることもあるので、確認しておくことが大切です。

5)ルートが曲がって閉塞している

患者さんの体位交換などを行い、ルートが体の下に挟まりルートが閉塞している場合もあります。

また、体動制限がない患者さんなどでは、座位になった時にルートを踏んでしまい滴下不良が起こることも考えられるため、ルートの長さなどにも注意が必要です。

これらが点滴が落ちない時に考えられる原因となっています。

それでは、この原因に対して正しい対処法を見ていきましょう。

原因に対する正しい対処法について

点滴が落ちない状況には必ず原因があります。

慌てる前に、原因を把握して正しい対処を行うことが必要になります。

・点滴漏れ
・留置針が血管壁に当たっている
・点滴が詰まっている

点滴が落ちない原因として多い、上記の3つの対処法について確認していきます。

点滴漏れ

点滴漏れが起きている場合は、点滴を止めてすぐに抜針します。

そして、再度ルート確保を行い留置します。

留置針が血管壁に当たっている

留置針が血管壁に当たっている場合は、針を動かすと滴下が戻ることがあります。

留置部位が肘や手首の場合は、患者さんが屈曲していると滴下が止まることがあるので、腕などを動かしてもらい滴下を確認します。

体動によっても滴下が戻らない場合は、留置針を動かします。

動かし方としては、針を少しだけ手前に引いて滴下を確認します。

この時に引きすぎると抜けてしまうため、気持ち少しだけ引くことがポイントです。

また、角度によって滴下が戻ることもあるので、角度を変えて固定することで滴下することも多いです。

高さをあげる場合は、アルコール綿を使用して患者さんの皮膚に当たらないように固定を行います。

点滴が詰まっている

ルート内で血液が固まり点滴が詰まっていることにより、点滴が落ちないことが考えられます。

点滴がつまらないように、生食やヘパリンでロックを行いますが、留置時間が長い場合などは詰まりやすいです。

詰まった場合は、フラッシュする方法がありますが、この方法は病棟や患者さんによって適応できないこともあります。

フラッシュをしてはいけない場合は、フラッシュしないように注意しましょう。

また、側管からフラッシュをする時も、押しても引いても抵抗が強くフラッシュできない場合は、無理に押したりしないようにしましょう。

無理にフラッシュをかけようとすると、疼痛などが生じることがあります。

抵抗がある場合は、諦めて再度ルートを取ることが必要です。

正しい点滴管理を行うために

「せっかく入ったルートが落ちない!」と慌てて先輩を呼びに行った経験がある人も多いと思います。

点滴が落ちない状況は焦ってしまいますが必ず原因があり、その原因に合わせた正しい対処を行うことが点滴管理には必要になるのです。

点滴管理を身に付けたいと考えている人は、今回紹介した点滴が落ちない原因と対処法についての内容を参考にしてみてください。

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★TOMO★

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看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/