薬剤の種類によっては輸液ポンプやシリンジポンプでの管理が必要なることがあります。
病棟で働く看護師の中には、機械操作は苦手という多いのではないでしょうか?
輸液ポンプやシリンジポンプは精密医療機器なので、取り扱い方法を知っておく必要があります。
今回は、輸液ポンプとシリンジポンプの操作やアラーム対応について紹介します。
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輸液ポンプとシリンジポンプは正確な輸液管理ができる
病院でよく見かける輸液ポンプとシリンジポンプは、正確な輸液管理を行うために使用されます。
通常の点滴を行う際は、輸液セットのクレンメを手で調整し、自然滴下を合わせてコントロールすることが多いと思います。
輸液ポンプやシリンジポンプを使用することで、より正確な時間で薬剤が投与できるため、滴下コントロールが必要な薬剤や症状に対して選択されます。
輸液ポンプやシリンジポンプの目的と適応は以下の通りです。
・輸液流量の厳密な管理が必要なとき
・輸液のバランス管理が重要なとき
・輸液流量を一定に保ちたいとき
・輸液セットのクレンメによる自然滴下による管理が困難なとき
通常の輸液セットでの管理が難しいなどに、輸液ポンプやシリンジポンプを使用して薬剤の投与を行います。
では、輸液ポンプとシリンジポンプの基本的な操作方法を見ていきましょう。
輸液ポンプはセッティングに注意が必要
病院では術後の点滴管理などや厳密な輸液管理が必要な場合に輸液ポンプを使用することが多いと思います。
輸液ポンプの操作に慣れない間は、ルートのセットの方法やスイッチの入れ忘れなどのトラブルも起きやすいため、手順をしっかり確認しておきましょう。
クレンメの位置は輸液ポンプより下
ルートが患者さんに入った状態で、輸液ポンプのセッティングを見ていきましょう。
輸液ポンプは機材室などに充電された状態で管理されている職場も多いと思います。
1.電源が入るか、見た目に破損がないかをチェックします。
2.輸液ポンプを点滴棒に外れないようにセッティングします。
3.輸液セットを輸液ポンプにセットしますが、このときクレンメは輸液ポンプ本体よりも下に来るようにセットします。
4.輸液ポンプ本体のフタをあけ、チューブを中央にまっすぐたるみがないようにはめ込みます。
5.チューブがセットできたら、輸液ポンプのドアをロックして指示された輸液の流量と予定量を設定します。この時に入力ミスがないか確認しておきましょう。
6.輸液ポンプの設定が完了したら輸液ルート全体の確認をします。
7.確認が終わったら「開始」ボタンを押して点滴を開始します。
輸液ポンプの使用中は残量チェックが大切
輸液ポンプは設定した滴下速度、輸液量を機械で管理が行える便利なものです。
機械の方が安全と信じきってしまうことは、トラブルの原因になってしまいます。
輸液ポンプの使用中も時間通りに滴下しているか、残量は合っているかの確認が大切です。
通常の輸液と同様に、点滴時間と滴下速度を計算して、点滴バッグに目安を記入して確認するようにしておきましょう。
また輸液セットのチューブは、最低でも24時間ごとにポンプが装着されている部分をずらして装着しなおします。
輸液ポンプの3種類のアラームについて
輸液ポンプを扱っているとアラーム音が鳴ることがあります。
初めて輸液ポンプを扱ったときは、アラームが鳴って焦ってとりあえず電源を切ったという人も多いと思います。
輸液ポンプのアラームには3種類あり、それぞれの対応と確認がポイントになります。
・閉塞アラーム
・気泡混入アラーム
・電圧低下アラーム
これらがアラームの種類になります。
閉塞アラーム
閉塞アラームは、輸液ルートのチューブ内の閉塞などにより滴下ができない状態の時に鳴ります。
閉塞アラームが鳴ったときは、クレンメ、三方活栓が開放されているかを確認します。
開始直後にこのアラームが鳴る場合は、クレンメや三方活栓の開放忘れが原因のことが多いです。
気泡混入アラーム
輸液ルート内に気泡が混入している場合に、このアラームがなります。
このアラームが鳴った場合は、クレンメを閉じた状態で輸液ポンプのドアを開け、気泡を取り除きます。
電圧低下アラーム
輸液ポンプは電源コードがつながっていない状態でも動くようになっていますが、内蔵バッテリー切れに鳴るとこのアラームが鳴ります。
このアラームが鳴ったらすぐにAC電源コードを接続します。
フリーフローに注意する
輸液ポンプのアラームが鳴り慌てて輸液ポンプのドアを開けてしまう人もいると思います。
クレンメが開いた状態で輸液ポンプのドアを開けてしまうと、フリーフローを起こしてしまいます。
フリーフローとは、薬剤がクレンメ全開の状態で滴下投与されてしまうことです。
開始する時にクレンメは全開になっているので、ドアを開けるときは必ずクレンメを閉じるようにしましょう。
シリンジポンプは微量で投与する時に使用する
シリンジポンプの使用は、病院によって頻度が違うこともあると思います。
シリンジポンプは循環器系の薬剤などを正確な量を投与する場合や時間1ml以下の微量な量を投与する場合などに使用されることが多いです。
シリンジポンプの接続に注意する
1.指示された薬剤をシリンジに準備します
2.シリンジに延長チューブを接続し、チューブ内を薬液で満たしておきます。シリンジと延長チューブがしっかりロックされていることを確認します。
3.シリンジポンプを点滴台に患者と同じ高さにセッティングします。
4.シリンジポンプにシリンジをセットし、延長チューブと三方活栓を接続します。
5.指示された量を設定し「開始」ボタンを押して開始します。
接続ルートが複数ある場合は注意
シリンジポンプで薬剤を投与する場合は、メインルートの側管から接続しますが、ルートに複数の接続がある場合は、接続ミスや混ぜると危険なものがないか確認します。
ルート接続ミスを防ぐためにも、シリンジポンプの延長チューブに目印をつけておくなどの工夫も必要です。
日勤帯で接続したシリンジは夜勤帯まで引き継がれることが多く、接続ミスも起こりやすいです。
シリンジポンプの閉塞は注意が必要
シリンジポンプも輸液ポンプ同様に閉塞時にはアラームが鳴ります。
閉塞アラームが鳴った場合は、ルートが確実に接続されているかを確認します。
三方活栓がロックされたままの状態だったり、ルートがねじれて閉塞している場合もあるので、ルートを辿って確認することが大切です。
アラームが鳴ると輸液ポンプと同様に、シリンジポンプを解除してしまいがちですが、すぐに解除してはいけません。
閉塞されていた分の薬剤が押されて溜まっている状態なので、解放してしまうと一気に薬剤が投与されてしまいます。
閉塞アラームが鳴ったら、まずはルートの確認を行い、接続部分を外して押し出された薬剤を解放します。
シリンジポンプで投与される薬剤は、微量な投与量の管理が必要な薬剤もあるので、投与には注意する必要があります。
医療機器を正しく扱うために
輸液ポンプやシリンジポンプは、薬剤を確実に投与できる便利なアイテムなので、使用している病院もたくさんあります。
使用方法を間違えてしまうと重大なミスにつながることもあるため、正しい取り扱い方法を知っておくことが大切です。
特にアラームが鳴った時の対応は必要になるので、対処できるようにしておきましょう。
輸液ポンプやシリンジポンプの扱いを身につけたいという人は、今回紹介した輸液ポンプとシリンジポンプの操作やアラーム対応についての内容を参考にしてみてください。
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