こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、正しい酸素療法を行うための3つのコツについてお伝えします。
一般病棟で働いていると酸素療法を行っている患者さんに出会う機会も多いです。
「酸素の指示が出たけど、マスクを使うのかカニューレを使うのかどっち?」
このような疑問を感じた新人看護師もいるかもしれません。
酸素療法は正しく行わなければ副作用などを引き起こす危険性もあるため注意が必要です。
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酸素療法の目的
動脈血の酸素化を図り、末梢の組織細胞に十分酸素を配給し、低酸素血症の改善と予防を図る
酸素療法の適応
酸素療法の指示はドクターから出されますが、どのような症例が適応されるのかを理解しておきましょう。
- 動脈血ガス分析で低酸素血症となった場合
- 心不全、ショック状態により全身循環不全と診断された場合
- 術後や重度外傷直後など低酸素血症に陥る危険性がある場合
これらが酸素療法の適応となりますが、ポイントは低酸素血症に陥る危険性がある場合に実施されるということです。
重度の低酸素血症になってしまっては処置が遅くてなってしまうため、早期発見が大切になります。
酸素療法の方法
酸素療法を行うときは酸素に接続をして実施しますが、2種類の方法があります。
- 中央配管に接続する場合
- 酸素ボンベに接続する場合
それぞれの接続方法には注意点があるので押さえておきましょう。
中央配管に接続する場合
病室の患者さんの頭元にバルブが設置されており、 酸素は緑、吸引は黒、圧縮空気は赤、笑気は黄とそれぞれ色分けがされています。
主に病室で酸素吸入を行うときに使用します。
酸素ボンベに接続する場合
液体酸素を気化させて、圧縮させた状態で高圧ガス容器に入っており、容器は黒いボンベで側面に「医療用酸素」と表記があるのが特徴です。
主に外出時や病室から離れるときに使用します。
これらが酸素療法を行う際の酸素の種類ですが、酸素ボンベは持ち運びができ便利ですが取り扱いに注意が必要です。
酸素ボンベの注意点
酸素ボンベの取り扱いの注意点は以下の通りです。
- 火気に近づけない
- 直射日光に当てない
- 40度以上になるところに置かない
- 移動時は必ずキャスターを使う
- 保管や使用時は立てて固定を行う
これらは酸素ボンベの取り扱い注意点ですが、酸素は燃えやすく火気に近づけると非常に危険なので、患者さんにも説明を行い協力してもらいましょう。
喫煙習慣がある患者さんには特に注意して指導を行うことが必要です。
マスクの種類と選択
酸素療法ではマスクとカニューレなどを使用しますが、目的に合わせて選択が必要です。
酸素療法で使用されるマスクの種類は以下の通りです。
- 経鼻カニューレ
- 酸素マスク
- リザーバーマスク
- ベンチュリ―マスク
病棟で一般的に使用される経鼻カニューレは、3ℓ/分まで適応、酸素マスクは4ℓ/分以上でマスクが望ましいとされています。
特殊なマスクとして、リザーバーマスクやベンチュリ―マスクがありますが、通常の酸素マスクでは投与できない場合に適応されます。
酸素療法の合併症
酸素療法では、正しい方法で行わないと副作用が生じることもあるため注意が必要です。
酸素療法の副作用としては、CO₂ナルコーシスが挙げられます。
CO₂ナルコーシスとは、慢性的に二酸化炭素濃度が高い状態が続くことであり、頭痛や意識障害といった症状が現れることです。
CO₂ナルコーシスの症状には、発汗や頭痛、振戦、痙攣、傾眠などが見られます。
特に、肺疾患を抱えている患者さんに起こりやすいため注意が必要です。
宅酸素療法を行っている患者さんの中には、酸素濃度をあげると呼吸が楽になると思い込み勝手に酸素流量をコントロールしたりする人もいます。
勝手な操作はせず、必ずCO₂ナルコーシスの危険性を伝え理解してもらいましょう。
酸素療法のポイント
酸素療法を行うときは、ドクターからの酸素投与の指示に合わせてマスクかカニューレかを選択することが必要です。
また、酸素投与だけでなく、患者さんの状態に合わせて使い分けを行うことも必要です。
酸素療法を行うときは、CO₂ナルコーシスなどの副作用もあるので、患者さんや家族に危険性を説明し予防することが必要になります。
これから在宅で酸素療法を行う患者さんには、しっかり指導を行い理解してもらいましょう。
酸素療法の危険性、酸素ボンベの取り扱いをしっかり説明することがポイントです!
正しい酸素療法を行うために
病院で働いていると必ず酸素療法を実施する機会に出会いますが、急変時に酸素療法を実施することが多いです。
ドクターから指示されたときにすぐに対応が出来なければ、患者さんを救うことはできませんよね。
酸素の指示が出たら、目的と指示内容に合わせて適切な酸素マスクを準備することが大切です。
酸素療法についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
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(世界でいちばん愉快に人工呼吸管理がわかる本: ナース・研修医のための)
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また少し難易度の高い呼吸メカニクス、基本の換気モードから特殊病態への応用なども、ドクターとナースの対話方式で書かれているので、内容が分かりやすく、看護師の疑問に沿って展開されているので、疑問を解決しながら読み進めることができます。
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