こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、瞳孔の異常や疾患と瞳孔観察のポイントについてお伝えします。
瞳孔の観察は異常がどのような状態かを覚えておくことがポイントです!
瞳孔の異常は脳外科の疾患で見られることが多く、病棟では常に観察を行なっています。
瞳孔の異常から脳のどの部分に異常が起きているかが分かるため、観察は大切になります。
また、脳疾患は異常が起きても症状が分からない場合も多いので、観察できるようにしておきましょう。
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瞳孔観察の目的
脳血管疾患の異常の早期発見や、状態の把握をするため
瞳孔観察の必要物品
- ペンライト
瞳孔観察の手順
1.室内の照明を少し落とすか、患者の目元を手で覆う
2.ペンライトで目尻側から瞳孔に光を素早く当てて観察する
3.反対側も同様に実施する
瞳孔観察の観察項目
瞳孔の状態
対光反射の有無、左右差など、瞳孔の大きさなど
瞳孔の異常
偏視や瞳孔不同、縮瞳、散瞳など
瞳孔の異常と疾患
瞳孔の基準は2〜4mmであり、2mm以下の場合を縮瞳、5mm以上の場合を散瞳と言います。
縮瞳は間脳から脳幹への障害の時に見られ、散瞳はアトロピンの使用や低血糖、睡眠薬の大量使用時にも見られることがあります。
脳血管疾患と瞳孔の症状を見ていきましょう。
視床出血
視床出血では、内下方を睨むような共同偏位が見られ、縮瞳、対光反射は(ー)となります。
被殻出血
被殻出血の場合は左右の病巣の位置によって偏位が変わってきます。
右側の病巣の場合は、右側を睨むように偏位が起こり、瞳孔の大きさは正常、対光反射は(+)です。
橋出血
橋出血の場合は、眼球は正中に固定され、1mm以下に縮瞳し対光反射は(+)となります。
しかし、中脳に障害が及ぶにつれて対光反射も(ー)になります。
小脳出血
小脳での出血も病巣によって偏位が変わります。
病巣が右側の場合は、健側側である左側の共同偏位が起こります。
対光反射は(+)で、縮瞳や左右不同の場合も見られます。
瞳孔観察のポイント
瞳孔を観察するときは、周りが明るい状態では観察がしにくいため、患者さんの目元を覆いながらペンライトを当てて観察を行います。
長時間ペンライトを当て続けると眩しいため、素早く当てて対光反射の有無や瞳孔の状態を観察します。
瞳孔の大きさは、瞳孔スケールを使って測定を行い、左右差も確認しておきましょう。
しっかり暗くしてから観察すると対光反射がわかりやすいですよ!
瞳孔の観察を行うときは今回紹介した記事の内容を思い出して見てくださいね!
瞳孔の異常が理解できるために
瞳孔の観察は脳血管疾患を知るために大切な情報の一つです。
脳疾患は早期に治療を行うことで後遺症も軽減できるため、早期に発見することが大切になります。
新人の間は自信がないことも多いと思いますが、正しい知識を見につけるために先輩に付き添って指導してもらうなど積極的に観察を行なっていきましょう。
正しい観察力が患者さんを救い、症状の軽減にもつながります。
瞳孔観察についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
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