こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回の記事では、感染を予防する口腔ケアの手順とポイントについてお伝えします。
病院や施設などでは患者さんや利用者さんに口腔ケアを必ず実施していると思ます。
口腔ケアは食後の口の中を綺麗にするだけでなく、感染を予防するという効果もあります。
正しい方法で口腔ケアを行うことで、感染を予防し食事意欲にもつながります!
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口腔ケアの目的
口腔内を清潔に保つことで口臭を軽減させ、爽快感を持たせるとともに、自浄作用の活性化を促して二次感染を予防するため。
口腔ケアの必要物品
・歯ブラシ
・吸い飲み
・微温湯200mlほど(38〜39℃)
・歯磨き剤
・ガーグルベースン
・フェイスタオル
・ガーゼや綿棒
・ゴム手袋
・吸引器具
・ペンライト
・舌圧子
・スポンジブラシ
口腔ケアの手順(臥床患者の場合)
1.患者に口腔ケアを行うことを説明し、同意を得る
2.ベッド上で行う場合はファーラー位、動ける場合は座位で行う
3.手袋とエプロン、マスクを着用して、微温湯を吸い飲みで口角から口に含ませ、1〜2回口腔内をすすぎ、ガーグルベースン内に静かに吐き出してもらう
POINT口腔内を濡らした方が歯ブラシなどの挿入がスムーズになるため
4.歯ブラシを濡らし、必要時は歯磨き剤をつけてブラッシングを開始する
5.奥の歯を磨く場合は、適宜舌圧子を入れて口の中を広げながら磨く
6.歯の溝や歯と歯茎の間、歯間に磨き残しが残りやすいので、注意しながら磨く
7.磨き終わったら、顔を横に向け吸い飲みで水を含み口の中をゆすぎ、ガーグルベースンに吐き出してもらう
8.ペンライトで口腔内を観察し舌苔(舌に付着する白い苔状のもの)が付着していたら、スポンジブラシなどを使って除去する
9.口の周囲をタオルで拭き、患者の体位を元に戻す
10.使用した物品を片付ける
口腔ケアの観察項目
セルフケア能力
実施状況、安静度、意識レベル、認知レベルなど
出血傾向
血液検査データ
口腔の機能
開口、咀嚼、嚥下、構音などの機能に異常がないか
口腔内の状態
清潔と湿潤の状態、歯や歯肉の異常や病変など、義歯の有無
口腔ケアのポイント
意識レベルが低く、寝たきりの状態になっている患者さんの場合は、口腔内が乾燥していることがあります。
意識レベルが低い場合は、口を濯ぐことができないので、湿らせたガーゼで口腔内を拭いて刺激したり、口腔ケア用のジェルなどを使用します。
口腔ケア用の物品は、患者さん本人に用意してもらうことになるので、家族への説明などが必要になります。
また、誤嚥しやすい患者さんに口腔ケアを行う場合は、吸引ができるよう準備しておきましょう。
誤嚥を防ぐために必ず吸引器を準備しておくこともポイントの一つです!
正しい口腔ケアを行うために
口腔ケアがしっかり出来ていないと口臭や口腔内疾患の原因になってしまいます。
口の中の不快感は食欲減退にもつながるため、自分でできない患者さんほどケアを行う必要があります。
二次的な感染を予防するためにも、正しい方法で口腔ケアを行いましょう。
口腔ケアについての基本を確認したい人は、今回紹介した新人看護師が知っておきたい感染を予防する口腔ケアの手順についての内容を参考にしてみてください。
口腔ケアについてもっと深く学びたい人におすすめの参考書
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食事援助のカテゴリーで口腔ケアについても説明があるので、看護技術の基礎を身につけるためにも是非持っておきたい1冊です。
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