こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。
今回は、人工呼吸器の使用中の手順と観察ポイントについてお伝えします。
人工呼吸器は、自発呼吸ができない状態の患者さんに使用される機械です。
機械により陽圧をかけ強制的に換気を行いますが、使用中の合併症に注意する必要があるのです。
人工呼吸器で引き起こされる合併症をしっかり理解しておきましょう!
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人工呼吸器の目的
換気運動障害の補助を行い、肺酸素化機能の改善を行うため
人工呼吸器の必要物品
人工呼吸器使用中の必要物品
- 滅菌した呼吸器回路
- 滅菌蒸留水
- カフ圧
- シリンジ
- パルスオキシメーター
- カプノメーター
- 心電図モニター
人工呼吸器の手順
1.人工呼吸器の定期点検を行い、電源や換気モードなどの条件を確認する
2.モニター部の確認も行う
POINT患者のデータとして最高気道内圧や1回換気量、換気回数などを確認しておく。回路の閉塞や漏れの有無、チューブの折れなども確認する。
3.滅菌蒸留水は毎日取り替え、水量と温度を確認する
4.目で見て明らかな汚染があるときや回路の汚染が判明しているときは回路の交換を行う
5.気管内チューブが指示の深さで確実に固定されているか確認する
6.実施中はモニタリングと観察を行う
人工呼吸器の観察項目
呼吸状態
呼吸回数、呼吸パターン、胸郭の動き、自発呼吸数、呼吸困難などの自覚症状
分泌物
気管内吸引時の分泌物の粘度、量、色
気管内チューブ
気管内チューブの長さ、固定、カフ圧
循環状態
血圧、心電図の波形、脈拍、中心静脈圧、時間尿量
神経精神症状
意識状態、対光反射、不穏、せん妄など
人工呼吸器の合併症
人工呼吸器を装着している患者さんには様々な合併症が起こるリスクがあります。
人工呼吸器を使用している間は、合併症を予防するケアや観察が必要になります。
- 気道損傷
- 感染
- 肺実質障害
- 胃腸障害
- 不穏、せん妄
これらが人工呼吸器の合併症になります。
気道損傷を予防するためには、カフ圧を定期的にチェックしたり、感染を予防するための口腔ケアや呼吸器回路の定期的な交換など、日々のケアと観察がポイントです。
人工呼吸器のポイント
人工呼吸器は、自発呼吸と違って陽圧呼吸で呼吸を行います。
陽圧呼吸は呼吸器から強制送気を行い、気道へ高い圧がかかるため気道損傷などの合併症を起こすリスクがあるのです。
また、人工呼吸器の装着により感染を起こすリスクも高くなるため、人工呼吸器の点検以外にも口腔ケアなどのケアを行うことが大切です。
人工呼吸器の扱いに自信がないときは、先輩ナースにお願いして指導してもらいましょう。
機械の扱いや物品の取り扱いに慣れておくことが大切です!
安全に人工呼吸器を扱うために
病院では様々なME機器を取り扱う場面がありますが、正しい方法を理解しておくことが大切です。
特に人工呼吸器は患者さんの命に直結する機械なので、取り扱い方法だけでなく合併症の予防も必要になります。
機械の取り扱いが苦手という人も多いと思いますが、自信がないときは先輩ナースに指導をお願いして扱いに慣れるようにしておきましょう。
人工呼吸器を使用している患者さんは、観察とこまめなケアが合併症予防のポイントになります。
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