異常値の判断が大切!血液検査の目的と検査結果の見方のポイント

こんにちは、看護技術の記事を担当している元看護師のTOMOです。

今回は、血液検査の目的と検査結果の見方のポイントについてお伝えします。

検査の目的と結果をしっかり理解することで、採血のデータを読むことができますよ!

病院で入院している患者さんの大切な情報の一つに、血液検査があります。

血液検査では、体内で起きていることがデータとして表されていますが、数字が意味していることが分からないという人も多いと思います。

血液検査の結果は、患者さんの全身状態を把握するために大切な情報なので、検査結果の見方を理解しておきましょう!

血液検査の目的

疾患の診断や経過観察及び予防に必要な検査を行うため

血液検査の項目

血液検査では目的に合わせて様々な検査項目があります。

主な検査項目は以下の通りです。

  • 血液一般検査
  • 生化学検査
  • ホルモン検査
  • 免疫・血清検査
  • 腫瘍マーカー
  • 血液学的検査
  • 凝固・線溶検査

これらの項目は、検査目的に合わせて検査が行われます。

健康診断などで行われる血液検査は、血液一般検査のみが一般的です。

血液検査の項目の多さにうんざりしている人もいるのではないでしょうか?

血液検査を理解するために、血液の成分について少し触れておきます。

血液は血漿と血球に分類される

私たちが普段見ている血液は赤い液体状のものですが、この液体の中には、血漿成分と血球成分が混ざっています。

血液検査では血漿成分と血球成分がどれくらい入っているのかを検査します。

血漿成分には、水やたんぱく質、糖質、脂質、電解質などの成分が含まれ、血球成分には、血小板や赤血球、白血球が含まれています。

検査結果の見方

血液検査を見るときは基準値がポイントになります。

基準値を逸脱している場合は異常であることが分かります。

また、どの項目が異常であるかによって、疑われる疾患や症状を判断するキーポイントにもなります。

検査結果を見るときは、患者さんの症状や疑われる疾患の項目を見ていきますが、代表的な症状に合わせて見ていきましょう。

貧血

入院している患者さんの中には貧血傾向の人も多いです。

貧血かどうかを血液検査の結果から判断するためには、赤血球やヘモグロビンの数値に注目します。

それぞれの基準値は以下の通りです。

・赤血球:男性:4.0万~5.5×106個/μL、 女性:3.5万~5.0×106個/μL
・ヘモグロビン:男性:14.0~18.0g/dL、女性:12.0~16.0g/dL
・ヘマトクリット:男性:40~50%、女性:35~45%

これらの数値が基準値より下回っている状態であれば、貧血傾向であることが考えられます。

感染

入院している患者さんの全身状態の管理で特に大切になるのが、感染です。

術後感染や尿路感染など病院では様々な感染症が起こりやすいです。

感染が疑われる場合は、血液検査を行い炎症の程度や原因菌などの特定を行います。

血液検査から感染を判断するためには、白血球の数と炎症マーカーの数値に注目します。

それぞれの基準値は以下の通りです。

・白血球:3,500~9,000/μL
・C反応性たんぱく(CRP):0.3mg/dL以下

これらの数値が上昇している場合は、感染を起こしている可能性が高いです。

出血傾向

入院している患者さんの中には様々な基礎疾患を抱え、出血傾向がある人も多いです。

出血傾向は様々な症状に影響を及ぼすため、血液検査のデータで把握しておくことが大切です。

出血傾向を判断するためには、血小板やプロトロンビン時間などに注目します。

それぞれの基準値は以下の通りです。

・血小板:15~35×104/μL
・プロトロンビン時間:0.9~1.1INR
・活性化部分トロンボプラスチン時間:30〜40秒

血小板の減少、プロトロンビン時間やトロンボプラスチン時間の延長が見られたら出血傾向が考えられます。

血液検査のポイント

血液検査は患者さんの全身状態を把握するために必要な情報の一つです。

入院時には必ず採血を行い、経過に応じて適宜検査が行われます。

検査結果を単体で見るのではなく、結果を比較してどこが変わっているのか?という視点を持って見ることも大切です。

異常値を発見したら、なぜ異常になっているのか?を考えることがポイントです。

私も学生時代は検査結果の数字が意味するものが分からずアセスメントに繋がりませんでした。

異常値に対して「なぜ?」という視点を持つことで、データが意味する症状と繋がり見るべき視点が分かるようになりました。

検査データが難しいと感じたら今回紹介した記事の内容を参考にして見てくださいね!

血液検査のデータを理解するために

血液検査では、目には見えない身体の中の異常を知ることができます。

検査結果のデータから何が起きているかが分かるので、データを活用してアセスメントを行うことが大切です。

まずは紹介した必要な検査データの意味を理解することから始めましょう。

血液検査のデータの意味が分からないという人は、症状から考えると理解しやすいですよ!

血液検査についてもっと深く学びたい人におすすめの参考書

血液検査についてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです!

看護師のための 早引き 検査値・パニック値ハンドブック

実習では実際の患者さんの症状からアセスメントを進めていきますが、検査データなどから何が起こっていて、どのような危険性があるのかを考えなければなりません。

情報収集はできたけどアセスメントが苦手という学生は多いと思いますが、正常と異常を判断することが大切です。

この本では検査データだけでなく、検査目的や基準値、主な疾患など細かく紹介されており、学生だけでなく看護師になってからも活用できる内容になっています。

その他にも、血液検査をはじめ看護学生向けのおすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね!⇒看護学生にオススメ!実習で使えるポケットサイズの参考書3選

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★TOMO★

★TOMO★

看護学校卒業後は手術室で勤務。その後急性期病棟での看護を経験。現場の看護師不足の問題に直面し、看護師の採用に携わりたいと求人広告業界で営業として勤務。現在はPC1台で仕事をするため、看護師ライターを中心に活動。手術室で働く看護師を応援するため、webサイトで自身の経験を元に情報を発信している。https://openasnurse.com/